水中カメラマンの、ノバビーチクラブ再訪記

2005年11月24日(木)

こんにちは。水中カメラマンの瀬戸口です。

前回に続いて、ダイビング専門誌『月刊ダイビングワールド』2006年2月号の撮影取材で、ボホール&ノバビーチクラブへ再び行って来ました。そのときの様子はDW2月号のカラー6ページ、モノクロ2ページでみっちり紹介しているので、ぜひご覧ください(笑)。
今回ここでは雑誌とはちょっと違った視点で、ボホール&ノバビーチクラブの新しくなったところ、新たに発見したり体験したことを紹介します。

訪れたのは2005年11月。ノバビーチクラブがオープンしたのが2004年11月だから、ちょうど前回訪れてから1年後になります。コースは同じ、セブ経由。
まず、セブで1泊するマクタン島のホテルが前回よりも快適になっていました(笑)。部屋が広くてきれいで、バスタブも付いている。1階には日本食レストランもあって、旅の疲れを癒すにはなかなかいい環境です。それとセブ~ボホール間の高速艇オーシャンジェットのターミナル内も新しくなっていました。セキュリティチェックがあって、チェックインカウンターがあって、飛行機の搭乗と同じスタイルに近代化されていました。空港~マクタンのホテル~港を送迎してくれる係員サンは変わりありませんが、日本語が話せて親切です。1ボックスのエアコンカーを専用に用意してくれるので移動も快適。ボホールの港に着くと、ノバビーチクラブの女性インストラクター・トモミさんが出迎えてくれて、移動はとてもスムーズにできました。

今回のダイビングは初日からバリカサグです。前回もここでギンガメアジの大群やバラクーダの群れに遭遇しているので改めて思いますが、やはりバリカサグは生き物が多いですね。群れやマクロはもちろん、サンゴやソフトコーラルも凄い。「サンクチュアリ」のドロップオフの壁は付着生物の天国なので、カイメン、ホヤ、ヤギなんかが好きな人にはたまらないと思います。じっくりとアップで見ると、これが結構きれいなんです。大物も小物も、ボホールへ行ったら、やはりバリカサグはハズせません。

ハウスリーフは1年前に比べて、さらに潜りやすくなった印象を受けます。ブイを設置して、リゾート前のメーンのコースには、水深7mと20mの海底にガイドロープを常設してあるので、海底の地形が把握しやすくなっています。今回も、カニハゼやニチリンダテハゼの赤ちゃんを見つけましたが、近くにガイドロープがあったおかげで、生き物がいた場所をすぐに覚えられました。フィルムを変えて再び潜りに行ったり、目を付けていたウミウシが3時間後にどうなっているのかとか、翌日潜ったらまだほとんど同じ場所にいたとか、今回はいつでも気軽に潜れるハウスリーフならではの定点観察も楽しみました。ハウスリーフの情報はレストラン内にあるホワイトボードにダイビングの度に更新されるので、新しい情報をチェックしながら潜るといいでしょう。

リゾートの施設で大きく変わったところは、新たにシーサイドヴィラができたことです。2005年12月オープンだから、まさに今回の滞在中に完成しました。やはりここはテラスからの眺めが魅力です。他の客室やクラブハウス・レストラン、管理棟から離れた海辺の一等地にポツリと建っているので、目の前にはテラスと緑と海しかありません。コロニアル風の建物や床一面の大理石にも憧れますが、ただ部屋からボーっと海を眺めているだけでも幸せを感じます。海や風の音も聞こえて、気分がいいですよ。

スタッフも数名は入れ替わっていましたが、オーナーの河村さんをはじめアットホームな雰囲気は何も変わっていませんでした。つかず離れずのんびりと。やはりノバビーチクラブに来ると、あぁ、これが田舎のダイビングリゾートのあるべき姿なんだなぁって、思います。潜って、食べて、昼寝をして……。さて、次はどこへ潜りに行こうか……それともゴロンとマッサージから始めるか……。施設は進化しても、自然の豊かさと、こののんびり加減が変わらないのがノバビーチクラブの魅力だと思います。
以下は今回の旅のスナップです。

パングラオ島の島内散策に出かけました。そこで見つけたのが、島の内陸部にある鍾乳洞HINAGDANAN CAVE(ヒナグダナン・ケーブ)です。これがその、なにやら怪しげな入り口です。いちおう観光地になっているようで、付近には土産物屋が並んでいます。入場料は1人15ペソ。さて、その中は……。


入り口は直径1.5mほどの縦穴で、階段を下りると、こんどはスロープが続いて、さらにその奥に地底湖?! があります。中はドーム状になっていて、冷んやりとして淡水が溜まっていました。池の大きさは直径15mほどですが、ちょっとした探検気分を楽しめます。池は地元の子どもたちの格好の遊び場になっていました。


鍾乳洞の後は、ローカル動物園です。コウモリ、ワシ、ワニ、カメ、ヤマネコ、ヘビ、オオトカゲなど、そう広くはない敷地内に檻がたくさんあって、どちらかといえばグロテスクな生き物が多いようです。は虫類好きの人にはいいかもしれません。そういえば入園料を徴収していたきれいなオニイさんはオカマちゃんだったなぁ。


ノバビーチは遠浅なので、ボートに乗り込んだりハウスリーフダイブの移動手段に竹製のイカダが大活躍です。いつもは竹の棒で海底を突いて進みますが、ときどき棒が届かなくなることがあります。するとスタッフは躊躇することなく、Tシャツ、短パン、サンダル履きのまま海へザブンと飛び込み、こうして泳いでイカダを操縦します。1人なら1馬力、2人で2馬力? タンクをたくさん積んだときなどは3機がけの人力ボートになります。島出身のスタッフは、みんな幼い頃から海で遊んでいるので、サンダルを履いたままでもとても上手に泳ぎます。


バリカサグ島へ潜りに行くと、必ずと言っていいほど会うのが、このお土産売りのおばちゃんです。おじちゃんやニイニイが漕ぎ手で、おばちゃんやネエネエが売り子です。木の葉のように小さな手漕ぎバンカーボートに乗って、沖に停泊しているダイビングボートまでやってくると、いつの間にかボートに上がり込んで風呂敷を広げてお店を開いています。「オミヤゲ、オミヤゲ」と日本語でセールスを始めます(笑)。一歩間違えばまるで押し売りですが、ここではこれがいつもの光景です。まぁ、入海料と思って諦めてください。貝細工の携帯ストラップとかネックレスとか、ちょっとしたお土産にはいいですよ。それに彼女たちの情報網は、なかなか侮れなくて、日頃からいろいろなダイビングボートに乗り込んでいるせいか、今日はどこにバラクーダがいたとか、結構よく知っているんです。一度買ってしまえば、翌日はセールスに来ないので、仲良くしておいて損はありません(笑)。


そんなお土産おばちゃんたちの住むバリカサグ島へ上陸しました。丸くて平らな小さな島ですが、数百人は住んでいるそうです。島の真ん中には小学校もあります。カメラを持って近づくと、このとおり、元気な子どもたちが集まってきました。


小学校の隣がバスケットコート&多目的広場です。ここでも子どもたちがたくさん遊んでいました。裸足や上半身裸は当たり前。それにしても元気いっぱいです(バリカサグ島)。


バリカサグ島での生活はとてもシンプルです。明るくなったら起きて、暗くなったら寝るのでしょう。民家の周りには、この子ブタのように家畜もたくさんいました。ほのぼのとした景色が続いています。


島には教会もあります。訪れたときは誰もいなくてガランとしていましたが、周りの民家と比べるとだいぶ立派な建物のようです。手入れも行き届いて、きっといつもは多くの人たちで賑わっているのでしょう(バリカサグ島)。


最終日はタグビララン市街&ショッピングのツアーに参加しました。街には郊外型の近代的なショッピングセンターがあって、建物の中は日本やアメリカとあまり変わりません。パングラオ島の田舎とは、まるで違った世界です。ここで食べたハロハロ(かき氷ベースのフィリピンの定番デザート)はボリュームがあって美味しかった。スーパーでは、ガイドのトモミさんオススメの美白効果のあるというパパイヤ石鹸とマッサージオイルをお土産に買いました(写真)。


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