2008年7月5日~10日
2008年7月10日(木)
今週はマリンダイビングの取材で小川カメラマンが乗船。来月発売のマリンダイビング9月号で今回の旅の模様は紹介されます。ぜひ読んでください。7/6/08第1日目
位置 POINT 天候 水温
北マーレ環礁 Lankan Reef 晴れ 28℃
今回の旅は逆回り、本日の泊まりはラスドゥー。いきなりの長距離移動だから1本目はいきなりマンタポイントを選択。先週はばっちり大型のマンタが乱舞してくれたしってのも理由の一つだけど。早い内にマンタはカメラに押さえてもらおうって気持ちもあった。やや北へドーニーで移動。途中いつも1本目潜るエリアの側を通る。なんだか川みたいに流れてる。ランカンに着く。浅場の方は波が大きい。流れもマンタにゃ強過ぎかな。マダラトビエイが2枚優雅に流れの中でホバーリング。浅瀬でよく見るコバンアジの仲間のスナッブノーズパンパニョも群をなして登場。流れに乗ってクリーニングステーションに着くといつの間に追い越されたのかマウルーフチームはもう根待ちしている。もうすでに1枚だけ通り過ぎて行ったらしい。この流れじゃ通り過ぎるだろうなと思いながら待ってみるけど残念な結果。海もマンタも人の都合は考えてくれません。
位置 POINT 天候 水温
北マーレ環礁 Lions Head くもり 28℃
北マーレから離れる前に南の環礁外側に面したドロップオフのポイントで2本目。東面のランカンと違ってこちらは穏やかにゆったりと流れる中でノンビリダイビング。スポッテッドバタフライやマダガスカルバタフライ、ブラックピラミッド、コラーレバタフライなんかのインド洋固有のチョウチョウウオを眺めつつ名前の由来のライオンの顔に見えるはずの岩場に到着。濁りも有ったからか今回のみんなの感想はライオンには見えなかった人ばかりだった。
位置 POINT 天候 水温
ラスドゥー環礁 Rasdhoo Corner 晴れ 28℃
旅疲れを昼寝で癒しラスドゥーに到着。潜り始めたらもう4時過ぎ。日差しも弱くなって行くし透明度も悪い。潜行して行くと足下をマダラトビエイが2枚通り過ぎて行く。登場速過ぎで潜降始めたばかりのゲストは全然分からなかったって、ショック。更に降りて行くと砂地に仲良く眠るホワイトチップが3匹。取りあえず第一目標インド洋固有のフラッシャー系ベラのマックコスカーズラスの住処へゴー。堆積する珊瑚のかけらのガレ場で今日もたくさんのマッコスがヒレを大きく開いてランダムに泳ぐ。砂地を移動しながらドラキュラシュリンプゴビーをチェック。ちょっと急がないと廻りきれないかな。チャネルの深場へ突き出す外海との境の根へ急ぎ足で移動。キンギョハナダイ達の乱舞がキレイだなと見とれる間もなく15m100kgは有りそうな太くて巨大なイソマグロが濁りの向こうからゆっくり登場。更にすぐ後ろからもう1匹。ぐるりと僕らの周りを1周して今度は真っ正面から接近して来る。でかい生き物特有のドキドキの存在感を振りまきながら貫禄のパレードって感じ。
7/7/08 第2日目
位置 POINT 天候 水温
ラスドゥー環礁 Rasdhoo Madivaru くもり 28℃
夜明け前に結構まとめて雨が降る。朝5:00黒い空の雲の隙間から、うっすらと光が射し始めた。暗過ぎたら見えないけど暗い方がハンマーが上がりやすいんだからこれは吉兆。6時過ぎダイビングスタート。結構濁っている壁も海底も見えない沖を泳ぎ始める。10分経過、何もない。ヤバい、先週のスカの再現かと湧き上がる弱気を無理矢理無視しながらマウルーフチームと並走し続ける。チャンチャン、マウルーフのベルの音。逃げて来るハンマーは少しずれているけどこっちに向かって来る。しばらく見下ろしながらハンマーを追跡。深場に消えたエリアをしばらくグルグル廻ってみる。もうダメかなと思ったところで深場に薄くシルエットがスー、スー、スーっと3つ。すぐにハンマーヘッドの形に変わる。脅かさないように見失わないようにポイントしながらしばらく泳ぐ。ハンマースピードアップ。もう無理かみんな追いつかないなと振り向くとみんな左側を向いている?カメラも左に向けている?左側を振り向くと2匹の結構大きなハンマーが僕の左後ろをついて来ている。癖で右からばかり振り向くからちょうど死角になる位置に結構長い事、泳いで来ていたようです。浮上して水面で大笑い。ピエロな気分。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁北部 Maaya Thila 晴れ 28℃
アリ環礁へ外洋を移動。まだ昨夜の荒天の影響で波が高く結構な揺れ。船足が上がらない。穏やかな流れの中を根沿いに深場を目指す。今度はやや透明度上がって18mは見えている。アカモンガラの大群も、クマザサの群もみんなノンビリと漂っている。ギンガメアジもロウニンアジもカスミアジもみんなノンビリ。マヤティラ名物の巨大バラクーダは今週も出張なのか根のトップを探しまわっても見つからない。これ又先週と同じように反対側からやって来たマウルーフと居ないねとカクニン。まさか引っ越したのか?
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁中東部 Fish Head 晴れ 28℃
まだ、他の船達が始動してないのか、単にオフシーズンなのか?先週も今週もほとんど他のボートに出会わない。大体他のドーニーと鉢合わせしてダイバーがいっぱいって景色の多いここフィッシュヘッドも今日はアイランドサファリの独り占め。ここのナポレオンは人懐っこいのはいい事だけど、人がたくさん入っているとずっと他のダイバーチームに付きっきりで出会う回数が減ってしまう。当然他にドーニーが来てなければナポレオンは探す必要もなく向こうからやって来てずっと一緒に泳いでくれる。イエローバックフュージュラーもがっちり群れて鮮やかな黄色の川を水中に作り出す。カスミアジやカツオに追い立てられてビュンビュン走り回る。今日はキビナゴの群もガッツリ集まっていて銀色の雲がカスミアジに追われてキラキラ光りながらフワフワ揺れて逃げ廻る景色を眺めているとボーッと時を忘れる。気が付くとナポレオンが又接近して来て側のリーフの窪みに入って行く。彼の寝床なのかと見ているとクリーナーラスに掃除してもらってうっとりしている。
7/8/08 第3日目
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁中西部 Reethi Thila 晴れ 28℃
今日は天気も良く、波も無く穏やかなスタート。流れも緩やかだけどフュージュラーの群がイソマグロに襲われて逃げ惑っている。それはそれで置いといて、砂地を這い進みハゼ探しを始める。狙いはすぐ引っ込む、黒い色で見分けにくくハードルの高いインド洋固有のトールフィンシュリンプゴビー。ゆったりとした流れに流されながら、居た!で止ると、向こうも見つかったとばかりに穴に引っ込む。やっと引っ込まないトールフィンを1人のゲストに見せたところで穴の中にさよなら。深場はこの辺にして浅場のテーブル珊瑚の群生を眺めつつイエローコーラルゴビーを見に行く。大人サイズだと結構アホ面しててヒレもビラビラしていてかわいい。
ジンベエサーチその1
一気にアリ環礁最南端のマアミギリエリアまで移動してジンベエの探し始まり。天気もよくて日差しがキツい。波はちょっと大き過ぎ。サーチにはマァマァのコンディション。薄いオレンジ色プランクトンが大量に川の様にリーフ沿いに流れている。これならご飯一杯で見つけやすいかなと思いきや意外な苦戦。 まるで姿を現さない。もしかしてって事も無く空振りで終了。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南部 Holiday Out 晴れ 28℃
サーチで浅瀬にはジンベエが居ないようなので沖側、深場を見下ろしながら流れに乗ってジンベエ探し。海底の砂地に眠るホワイトチップは無視。フュージュラーの群も通過。通りすがりのマンタがあっという間にピューッと泳ぎ去る。ここでも、ジンベエには出会えなかった。マンタが通ってくれたのは結構救われたな。
ジンベエサーチその2
今度は雨期にメインで探すサーチエリア、少し北東よりでジンベエサーチ。こっち側のが波がないし見やすい。コンディションはマッチベター。1時間半かけてじっくりゆっくりサーチは続く。今度は満潮を挟んでのサーチなのできっと見つかるだろうと思っていたら意外な苦戦。ここでも合図の笛は鳴らなかった。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南部 Digurh Out 晴れ 28℃
今度はどうせそんなに深くを見つめても降りて行かれないし下は暗くて見にくいから壁沿い浅めで探して行く。壁からニョキッと生えるムチカラマツにムチカラマツエビ発見。こんだけ離れても見えるんだから目が悪くなった訳ではないよな。スカシテンジクダイの穴を覗いたりカツオの群とすれ違ったりしながら前進。最後は棚上のパウダーブルーサージョンフィッシュの玉も探しながらジンベエも探しながら移動。どちらも見つからなかったけど、エバンスアンティアスが大量に固まっているガレ場に到着。 ジンベエサーチその3 ボートへの帰り道もうひと頑張りしてみるけどツキの無い日はガマンです。
7/9/08 第4日目
深夜、風と波が強くなりよく揺れる。アンカーもズレて何度も打ち直す。船首の部屋ではアンカーとチェーンを落とす音、波が船体にぶつかる音も大きく結構寝不足。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南部 Kudarh Thila 晴れ 28℃
早朝のプチ嵐の残りなのか黒い雲も結構残っているし風も強め。水中は安定してミディアムロウのインカレント。小振りなイソマグロも群れ成して登場し水中ハンティングワールド。根の先端では雲霞のように群れるキビナゴを狙いカスミアジ、アオチビキも群れてガンガンにアタックを繰り返す。朝から気分爽快、満腹気分。
ジンベエサーチその4
朝食後、できれば午前中でジンベイゲットして旅立ちたいと思いながらのジンベエサーチに出発。直後に浅瀬を泳いでいる小振りなマンタを発見。でも、遊んでいる余裕は無い。ディグラ島外側からゆっくり南下しながらサーチをかける。天気は変わってすっきり晴れて気持ち良く、波も昨日よりもっと穏やか。 結局、最南端マアミギリを過ぎて又ホリデイアウトサイドも過ぎた頃、イルカの群発見。ちょっとは盛りあがるかなとゆっくりイルカの群に接近。この変化にお客さんもカメラカメラとウキウキになり舳先に集まる。上からマウルーフと並んで見ていたらイルカと船の間の海中にジンベエの影。一気にテンション上がってすぐさまジャンプ。4mくらいの小振りなジンベエ。水深2mをゆったり泳いでいる。脅かさないように少し離れて追跡するけどイルカ騒ぎの為になかなか準備ができないのか誰も飛び込んで来ない。ようやくみんな揃ってジンベエを眺める頃には3~4mに沈んだままゆっくり泳いで行くジンベエ。ベストな眺めではないけど取りあえず全員目撃。喜びながらもすでに今日中に南マーレに行く事は不可能な時間になっていた。続けてサーチ開始。すれ違ったセールボートが後ろでジンベエ発見の模様。急いで駆けつけると遠くから潜ったってサインをくれる向こうのガイド。ガッカリかと思ったら目の前に上がって来るジンベエ。ジャンプ。今度は3mくらいのかわいいサイズ。水面スレスレをノンビリ泳いで行くのにみんなで気持ち良く泳いでいると、反対向きにもっと大きいのが出たって騒ぎだすクルー。何?何?って足が止まった隙に去って行くジンベエ。仕方ないとドーニーに上がって大きい方の追跡に入る。これはすぐ見つかって又ジャンプイン。今度は少し大きくて6m弱くらいかな。この子はゆっくり水面近くをずっと泳いで行く。全然潜らない。段々疲れたり、飽きたり!?して船に上がって行く人も出て来る。再度、もっと大きいのがいるって仕切り直し。今度は7m以上一度沈んで行ったのを追跡していると反対で又別の4m強のジンベエが登場。エーせっかくこっちも上がって来ているのにみんなむこうに飛んで行ってしまった。そのまま追跡しているとあれ、もしかしてと思っている間に2匹のジンベエはゆっくり接近。2匹鉢合わせになるとお互い警戒するのか一定の距離を置いて輪を書くようにすれ違い消えて行く。サーチに費やした時間分は一気にまとめて泳げた感じ。みんなお疲れさま。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南部 Maamigili Corner 晴れ 28℃
今度も根沿いで水中ジンベエ探し。ダイビングは普通にノンビリ深い方からリーフ斜面沿いに緩やかな流れに押されながら進んで行く。巨大なマンタが突然大きく広げた翼をバサバサ羽ばたきながら真上を通過する。あっという間に消えて行って追跡もあきらめてコースに戻ろうかなと思いながらもう一度振り向くと又、バサバサと戻って来た。でも、すぐ消えて行く。壁沿いコースに戻り少し泳いで行くと段々コーナーを曲がり始める。インカレントに乗って内海に向かう。マダラトビエイの子供が海底の砂地でご飯を探している。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南部 Digurh Arch 晴れ 28℃
激しく泳いだ最後の〆はじっくりノンビリ小物探し。流れも弱くノンビリのはずが動きはノンビリだけど目だけは激しく動き回る。オーロラシュリンプゴビーやドラキュラシュリンプゴビーは見つかるのに肝心のトールフィンが今日は見つからない。たまにやって来るトールフィンスランプなのか、昨日のレイテティラもちょっとしか見つからなかったし。こんな時は焦ってはダメと思いつつじっくり行くけどタイムリミットも迫る。あきらめてカメラマンリクエストのチークドパイプフィッシュ探しに狙いを変えるかと思いつつもあきらめきれずにちょっと上から海底を見つつ移動してると20mの壁の落ち際にやっと発見。ラッキーな事に少し小さい個体がもう1匹穴から出て来てくれて高く立てた背鰭をひらりひらり揺すってくれた。改めてヨウジウオ探し。壁の上の方の洞穴の左端に大きいマダラエイが寝ている。右に寄ってゲストにエイを見せていたらすぐ目の前にチークドパイプフィッシュ発見。ちょっと暗くてキレイなピンクのラインがくすんで見えたけどきっと間違えないよね。
7/10/08 第5日目
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南部 ThinFushiBoduThila くもり 28℃
今週の旅ではマンタは出ているんだけどいずれもチラ見程度。ヤッパリじっくり見せたいし撮らせたいからちょっと早起きして6時スタート。遠い北マーレのランカンまで走る予定。明け方は雨。夜雨、昼晴れ、まさに雨期っぽい天気。緩い流れに逆らい気味に根の先端に進む。ムチカラマツエビが大小並んでいるところを発見。根の先端に辿り着くと魚影が薄い。しばらく待っても変わらないからあきらめて流れに乗って根沿いに移動。ホワイトチップがチラリ登場。驚いたのかすぐに根から離れて行ってしまった。根の半ばまで進むと少し根から外れたところで平和そうにたっぷりとクマザサやイエローバックが群れている。根の上の岩の下でゴシキエビの一種のペインテッドロブスターが2匹見つかる。食べたらおいしそうなサイズ。
位置 POINT 天候 水温
南マーレ環礁 Vaagali Corner 晴れ 28℃
南マーレの西側に面するポイント。流れが強い時ばかりここに入っていたので流れが穏やかで逆にびっくり。まるで違うポイントに来たみたい。それじゃ潜り方も変えなきゃって事でリーフ沿いにまず目についたのはスカテンの穴。奥までぐっと中に体を入れて行くとキンメモドキが目の前をワーワーで逃げ惑う。ムレハタタテの群も今回一番たくさん群れていて見応えたっぷり。穴から突然大きな老成したナポレオンが出て来て驚かされる。久しぶりにミヤケテグリも見つけてちょっとうれしい。浅瀬で昨年見たパウダー玉に挑戦。ダイビングの終わりに突き出た岩に群がるシルエット。やったかなと思ったけど近づいてガッカリ。パウダーは4、5匹混じっているけどシッポの付け根に黒い線が入っているオスジクロハギでした。
位置 POINT 天候 水温
北マーレ環礁 Lamkan Reef 晴れ 28℃
なんとか予定時間には到着できた。クルーのみんなご苦労さん。入ってみると濁ってるし流れはほぼ無し。そしてマンタも無し。待っても探してもタイマイで暇つぶしてもマンタ無し。イルカの声がする。応援されてる気がする。 気のせいでしょう。イルカがマンタを連れて来てくれる訳も無く。惨敗、返り討ち。リベンジならず。
石渡 隆之
Island Safari1