Wakatobiの余韻に浸りながら・・・by Tula Holmes
2012年1月18日(水)
インドネシアで一番大きな海洋保護地区に入り、どこからも遠く離れたワカトビダイブリゾートのある小さな島トランドノ島には、本当に豊かで素晴らしいサンゴ礁が広がっていました。空からこの美しいサンゴ礁を見ているとエメラルドグリーン、透き通った青、深い青とまるでビー玉のようです。
バリ島からの特別チャーター機でトミア島に向かう途中、小さい飛行機の窓から見えるのは、どこまでも続く青い海と美しい環礁の数々。そしてトミア島に近くなるにつれ、興奮で胸がドキドキしたのを今でも覚えています。
機内から見ていると、無人島や緑の生い茂るジャングル、海岸沿いにはたくさんのヤシの木が並ぶ島をたくさん目にしました。この美しい自然を壊して作った道や家は目につきませんでした。
観光客がほとんどいない場所を訪れている事をとても嬉しく思うと同時に、何十時間もかけて地球の反対側まで来た甲斐があったと思いました!
写真提供:Didi Lotze
特別チャーター機は、ワカトビが所有する小さな空港に降り立ちました。それから車に乗り換え、シンプルな家が立ち並ぶ小さな村を通り抜けて行きます。
車を降りると子供達が「ハロー、ハロー」と満面の笑みで駆け寄ってきます。そこから石の階段を降り、桟橋まで向かいWakatobi IV号に乗船すると、冷たいおしぼりとウエルカムドリンクを手渡してくれました。
とても暑い日だったので、嬉しいサービスでした。全員ボートに乗り込み、ボートが桟橋から離れていくと、子供達が一生懸命手を振ってくれました。
写真提供:ワカトビゲスト Paul Sutherland
純粋に幸せを感じる瞬間・・・
写真提供:ワカトビゲスト James Watt
ワカトビダイブリゾートの桟橋に着くと、たくさんのスタッフが私達を迎えてくれました。
白い砂浜には透き通った青い波が打ち寄せ、ビーチ沿いからは大きな曲がったヤシの木が空に向かって伸びています。各バンガローの周りにもヤシの木やたくさんの植物が植えてあり、ビーチチェアーと白いパラソルも用意されていました。
海と緑の香りに包まれ、心からリラックスできました。
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
桟橋からは、担当のスタッフがバンガローまで案内してくれました。
到着したばかりでしたが、すぐ水着に着替え“素晴らしい”と聞いていたハウスリーフへひと泳ぎしに行きました!
写真提供: Didi Lotze
緑と黒の羽のような腕を持つウミシダが、水中を浮遊する有機物を取ろうと手を伸ばしています。
写真提供:ワカトビゲスト Eric Cheng
わずか数メートル泳いだだけで、ここのサンゴ礁の素晴らしさに驚きました!
もっと近くで見るため、BCDから空気を抜きゆっくり潜行していきます。様々な色彩が広がる水中景色は、まるで花が咲き乱れるお庭のようです。
全てが生き生きしていて、この美しさといったら言葉では表現しきれません。
何かと思ったら、獲物を待つカエルアンコウがすぐ目の前に!!
写真提供:ワカトビゲスト Ken Knezick
クマノミと同じ様な色のピンクやオレンジ色のイソギンチャクは、彼らの大切な隠れ家です。
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
背景とマッチさせながら浅瀬を泳ぎまわるツバメウオの幼魚たちは、私達ダイバーのフィンが動くまで気づかなかったようで、すぐ近くまで寄ってきました。
写真提供:ワカトビゲスト Ken Knezick
海で生きていくためには、擬態したり色を変えたり、群れをなして泳いだりと手段は様々ですが、ワカトビでは水中世界の信じられない光景をたくさん見ることができました。
呼吸するのを忘れて、目の前に広がる景色にただ見入ってしまいました。
写真提供:ワカトビゲスト Enrico Witte
私達ダイバーはまるで宝探しでもするように、小さな穴の中や岩のまわりをチェックし、カラフルなウミウシなどが隠れていないか探します。
そしてピンク色の海ウチワを見つけると、傷つけないよう気をつけながらピグミーシーホースや小さなエビがいないか入念にチェックします。
写真提供:ワカトビゲスト Richard Smith
隣の村と提携し、村に電力を供給する代わりに漁業禁止エリアを設けました。
そのため村の漁師達は、保護エリアから遠く離れた場所で漁業をしてきましたが、保護を続けてきた効果が現れはじめ、大きな魚が増えたと喜んでいるそうです。
リゾート側は美しいサンゴ礁を守れ、村側も魚が増えたと満足でき、言うまでもなく、この計画は大成功です!!
私達はリゾートに滞在中、1日3本のボートダイブをし、毎回違ったサイトで潜りました。それぞれのダイブサイトがユニークで、サンゴ礁に潜む様々な生物を見ることができました。大きな海ウチワや巨大なカイメン、カラフルなソフトコラールに覆われた美しいウォールを、流れに乗ってドリフトダイブした時は最高の気分でした。
特にテーブルコーラルシティやザ・ズーというダイブサイトでは、本当に素晴らしいサンゴ礁が広がり、珍しい生物もたくさん見られました。
写真提供:ワカトビゲスト Lynn Robben
頭を覗かせ鋭い歯を見せつけているウツボやテッポウエビがせっせと働くのを見守るハゼなど、海で生活する何千何万もの生物は一生懸命生きています。そのほんの一部ですがダイビングを通じて見ることができることを私は幸せに思います。
目を慣らさないと、砂地で上手に隠れているワニゴチやヒラメを見つけるのにも一苦労です。
写真提供:ワカトビゲスト Paul Sutherland
チンアナゴが興味津々そうな可愛い顔をして、穴から顔を出しています。長い間観察していたら、ウインクをしてくれた気がして嬉しい気分になっていたのに、ミノカサゴが毒を持った背びれを広げて近づいてくるではありませんか!追いかけて来ないでぇ・・・
写真提供:ワカトビゲスト J Watt
ロングハウスの鉢植えには赤や紫色のブーゲンビリアが咲き乱れ、インドネシア人スタッフの笑顔、そしてカラフルな魚達・・・周りを見渡してみると美しいものばかりです。
人気ダイブサイトのひとつ『ローマ』は、美しい都市の古代ローマにちなんで名付けられただけあって、素晴らしいダイブサイトでした。尾根に沿って潜行していくと、大きなバラの形をしたキャベツコーラルが見えてきます。目の前に広がる景色に感動していると、マダラタルミや鮮やかなクマササハナムロの群れが“ローズ”を横切って行きました。
写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens
減圧不要限界時間が迫り、ダイビングコンピューターが警告し始めるたびに、浮上しなければならないのが残念でしかたがありません。まだ、遭遇していない生物達に遇うため、行く前から次のダイビングが楽しみでしかたがありません。だからダイビングはやめられないのですよね!
イソギンチャクを覗いてみると、クマノミが住み家のイソギンチャクに出たり入ったりしています。小さなニモちゃん、あなたはとっても素敵な魚よ!
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
Tula Holmesさんが、彼女のワカトビでの日々を振り返り書き綴ってくれました。
Tulaさん、ありがとうございました。
写真提供:ワカトビゲスト Lisa Collins
世界で一番美しいサンゴ礁の広がる、このターコイズブルーの海でまた逢いましょう。
写真提供: Didi Lotze