魚達の秘密
2012年7月13日(金)
美しいサンゴ礁と多様な海洋生物が生息する中心地に位置するワカトビの海は、ダイバーやスノーケラー誰にとっても魅力的な海のはずです。コバルトブルーの海の下で、キラキラと輝くたくさんの生命を感じてみませんか?美しいサンゴ礁と多様な海洋生物が生息する中心地に位置するワカトビの海は、ダイバーやシュノーケラー誰にとっても魅力的な海のはずです。コバルトブルーの海の下で、キラキラと輝くたくさんの生命を感じてみませんか?
鮮やかな色やちょっと変わった模様など、サンゴ礁に生息する魚達の適応能力には、とても興味をそそられます。
中層で群れをなすアジなどの回遊魚は、水の色にうまく溶け込むため単色または銀色系のシンプルな色をしています。
サンゴ礁には、藻類や無脊椎動物、魚類など様々な動植物がひしめき合い、生き残るために何百年もかけて目覚ましい進化を遂げてきた複雑な環境です。
サンゴ礁で見る多くの魚達は軟骨魚類に属し、鰭(ひれ)には尖った棘や細長い骨格を持っています。この鋭い棘を真っすぐ立てて刺した後抜けないよう固定させたり、毒を発して防御するために使ったりしています。また、敵を混乱させるために色を変化したり、擬態したりする技も進化させてきました。
海洋学者達の間では、サンゴ礁に生息する魚達が持つ珍しい色や柄の理由について、よく議論されているそうです。
魚達の明るい色や模様は、環境下で目立たないためや捕食者から身を守るため、そして交尾の際に容易にお互いを認識するためだとも考えられているそうです。
5. モンガラカワハギは、エサとしているウニや甲殻類、貝類の殻を粉砕できる強力なアゴを使を持っています。腹部には大きな白い斑点があり、背ビレには黄色地に黒の斑点があります。
下から見ると腹部の白い斑点は、水中に差し込む日差しやキラキラと波打つ水面のように見え、上から見てみると、カラフルなサンゴ礁と見事にマッチして見え、実は非常に効果的な迷彩模様になっているのです!
私達には、とても目立って見えますが、実は上手にカムフラージュしている魚なのです!
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
スミレナガハナダイのオスは、きれいなスミレ色の体に赤紫色の四角い斑紋があり、とても鮮やかな色をしているのに対し、メスはオレンジ色または黄色っぽい色をしていて、四角い斑紋はありません。このオスの際立つ柄と軽快な泳ぎは、縄張りを意味し、テリトリーに入ってくる同じ種のオスに対してもライバル意識を持っています。
全てのハナダイは、メスからオスへと変化する雌性先熟の魚でもあります。性別が変化し始めると色が次第に変化し始め、同時に生殖器も変化していきます。わずか16日程度で完全に性転換してしまうそうです!
ワカトビで、よく見られるコブシメもまたカムフラージュの達人です。コブシメは、巧みに体の色を変化させ、完璧に擬態し、サンゴ礁の一部分のように見えるため、コブシメを予測せず近づいて来る獲物を簡単に捕獲する事が出来ます。
そんなカモフラージュ上手なコブシメを見つけるのは簡単ではありませんが、ダイバーやスノーケラーに見つかると、大きな目をクルクル動かしながら、腕を動かして警戒するポーズを取るなど、観察してみると色んな姿を見せてくれます。
写真提供:ワカトビゲスト Larry Abbot
テリトリーを持つ魚や毒針を持つ魚、または鮮やかな色や柄で“警告”している生物など、敵やライバル相手に対する防御方法も様々です。ターゲットにされやすい生物が目立つ色彩や柄を持つように、獲物を待ち伏せる魚もカムフラージュの技を進化させてきました。
ウルマカサゴは、体全体をサンゴや藻類の様に見せかけ、待ち伏せてハンティングする魚の一種です。小さな甲殻類や魚が通り過ぎるまで、静かに身を潜めて待ちます。
写真提供:ワカトビゲストEnrico Witte
ある魚は外敵から身を守るために、休憩時はサンゴの間や穴に隠れ、お腹がすいたら浅瀬を泳ぎ回りながら食事をとるという習性を持っているものもいます。
それでも、その隙間を狙って攻撃して来る魚もたくさんいます。小さな魚達は限られたスペースで身を寄せ合い、時には棘を立てて身を守ります。
写真提供:ワカトビゲストSydney Hoerler
魚達は、環境に適応するために複雑な進化を遂げてきました。
小さな魚達は、サンゴ礁の隙間に隠れるか浅瀬で群れをなすことで敵から身を守ることを学びました。彼らの小さな隠れ場所は、いくつも隣り合わせにあり、いつでも必要な時はすぐに出入りできるようになっています。
サンゴ礁に生息する多くの魚達は、非常に上手く周囲に溶け込む色をしているので、見つけるも大変です。
擬態、ちょっと変わったカムフラージュ術、保護色または鮮やかな色彩など、様々な要素が集まり、美しいサンゴ礁を構成しているのです!
上手に木の葉に擬態しているこの魚は、皆さんもご存知のハダカハオコゼです! 流れに身を任せ、枯れ葉のように体を左右にゆらゆら揺らす姿は完璧なカムフラージュ技です。
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
生態系の均衡が崩れてしまった海では、悪評高いミノカサゴですが、ワカトビの海のミノカサゴは調和の取れた生態系のバランスを保持し、捕食側と獲物側の両方として生きている為、悪者ではなく、逆にサンゴ礁において必要不可欠な生き物のひとつです。
海洋生物学者の調査によると、そのエリアで生息するチョウチョウウオの種類数によって、サンゴ礁の健康度と多様性が分かるとされています。
驚くことにワカトビには、40種類のチョウチョウウオが生息しているのです!これは世界でも最高基準と言っても間違いないでしょう!
写真提供:ワカトビゲスト Tom Fretz
クマノミやミノカサゴなど、保護されているワカトビ周辺の海域には、900種類以上の魚達が生息しています。
WakatobiのゲストDieter Grage 氏は、滞在中に魚達を観察し、426種類の違った種類の生物を記録しました。そして驚くことに、彼は15m以上深くには潜らなかったと言うのです!