2008年12月21日~24日
2008年12月24日(水)
乾期だと言われる時期になっているはずだが、まるで天気が安定していない。ここ3日豪雨で目が覚めたり、雨降りそうだからと傘を持ってマーレに行っていたらカラッと晴れて熱かったりした。クルーズスタート2日前、フェリーの回りは雨とガスに真っ白く囲まれて、すぐ近くの島もまるで見えない。この雨でディンギーのエンジンに水が入ったらしくエンジンがかからなくなる。キャプテンが器用に治したと思っていたら、前日の晩に又掛からなくなる。波乱の予兆。不安を抱えつつ乾期が始まった。12/21/08 第1日目
位置 POINT 天候 水温
北マーレ環礁 Maagiri Rock 晴 28℃
一番心配していた天気は意外にも穏やかで空は晴れ、海も穏やか。3週間ぶりのダイビング。ちょっと冷たいかなと温度を見れば28度。メインロックのやや手前、いきなり大きなイソマグロが1匹ゆっくりと沖側からやって来る。メインロックを深い側から廻り始めると、又さっきと同じと思われるイソマグロが目の前を通過して行く。よっぽど人間が好きなのか浅場に移って斜面沿いに移動していてもまたして同じサイズのイソマグロ。ゆっくりダイバーの間を縫って泳ぎさって行く。
もうじき船泊まりのリーフに着くって頃に浅いリーフ沿いを泳いで行くイルカの群が見えた。イルカは長い行列になり飛んだ入り跳ねたりしながら通り過ぎている。すごく小さいイルカ。一度通り過ぎたと思ったけど、実に長く伸びた群でその後も1固まり2固まりとイルカの群は続いていた。
位置 POINT 天候 水温
南マーレ環礁 Kinky Reef 晴 28℃
天気がよくてホッとしていたら、足下をすくうようにバッドニュース。いつもの様に器用にちょいちょいとディンギーを治してしまうかと思っていたが、意外に重傷らしく手元にあるパーツでは治らないみたい。遊びにもジンベイサーチにも欠かせないディンギーなのでなんとしても治ってもらわないとって事で申し訳ないけど足止めです。マーレに寄ってパーツ拾って直ってと願いつつダイビング。ここは北マーレと南マーレのヴァドゥーチャネル。降り始めたらいきなりナポレオンが3匹、もう1匹見えて来た。もう1匹。近寄るのは願い下げだねという感じで見えたと思うと去って行くいけずなナポレオン。
で、ディンギーはと期待と不安を抱えつつ戻ってみれば、お手上げらしく、マーレの工場に持って行かれる。潜っては長距離移動、移動が中心か、ダイビングが中心かって位の旅なのにこの足止めは痛い。
位置 POINT 天候 水温
南マーレ環礁 Embudhoo Canyon 晴 28℃
気持ちは焦るけど焦ってもしょうがないと自分に言い聞かせ。ゲストのしょうがないよの一言に心を救われつつ3本目は南マーレでも一番北東の環礁外側。首都マーレの町がまだ近くに見える。ヴァドゥーチャネルを渡っただけって位置。潜り終わったらドーニーをマーレに帰してディンギーをピックアップ、その間に本船は南下をするって作戦だったのにここで又つまずいた。珍しく乗っていたスノーケラーがいつの間にかバリアリーフを越えて環礁の中へ入ってしまった。しかも風のいたずらで南西方向、ドンドン奥に押されて行っている。リーフが有るから船は広いに行かれない。日も傾き始めている。スノーケラー救出とディンギーピックアップ。結局、今夜の停泊はヴァドゥーアイランドリゾートのすぐ側。アセアセ。日もすっかり暮れて無事に回収されたドイツ人スノーケラーとなんとか直って来たディンギー。明日は長距離移動、一気に南下。
12/22/08 第2日目
位置 POINT 天候 水温
南マーレ環礁 Valessaru Caves 晴 28℃
今更、焦ってもしょうがない。分かってはいるけど、ここはまだヴァドゥーチャネル。まるで進んでいない。こんな時はなんかいいもの見つけてババーンと盛り上がりたいものだが、海のこと故、そんなに簡単に、こっちの都合に合わせて出て来てくれるものでもない。初めから焦り抱えて泳いでいるから、なんか出ない事に余計焦る。イソマグロ、小さいなとか、カスミアジがキレイに輝きながら通り過ぎても、もっとババーンが欲しいのよ。変わったものが欲しい。無情に時は過ぎ、棚上に入って泳いでいるとババーンと来た。バッファローフィッシュがドドーッと3匹。後からもっと大きな個体のバッファローもやって来た。ドドーッと来てドドドーと去って行った。
これでマーレとはさよならして一気にアリ環礁南部まで移動。天気がいいのがせめてもの救い。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南東部 VillamendhooThila 晴 28℃
島を挟んだ狭い2つのチャネルの外側に南北に伸びる隠れ根。南側のチャネルからゆったりとしたアウトの流れ逆らい内側の壁沿いに北上して行く。いつもよりクマザサの群もバラフエダイの群もグッと少なく、マダラトビエイも見つからない。こんなはず無いと魚影を求めて北上して行くと段々水が澄んで来た。北側はインカレントになっている。まずい、巻き気味に外側へ飛び出して行くと青い水の中をクマザサの群がキラキラと光りながら泳いで行く。唇が向かって来ると思ったら1.5m近く有りそうな巨大なロウニンアジの正面顔だった。探していたマダラトビエイもやっと登場と思ったら4枚の編隊飛行の追加サービス。
ジンベエサーチその1
なんとか1ダイブ分の遅れのタイミングでジンベイエリアに到着。白い雲が広がっているせいで少し暗い海面。晴れて、光りが一杯で海面がフラットでってのがベストだけどいつもそんなコンデションじゃない。このくらいならその内見つかるさと思っていた。最南端部のマアミギリを過ぎてディッフシ辺りに船が集まっている。でも、ジンベエはまるで姿を現さない。どこの船もウロウロしているだけで飛び込んでいるのはダイバーだけ。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南部 Sun Island out 晴 28℃
気を取り直してダイビング。1ダイブ、1サーチ分時間をロスしているから、ここでなんとかジンベエザメを見て楽になりたいところだ。3チームを斜面にいるチームを中心に根の上側と沖側に広げて水中でのジンベエサーチが始まった。沖側に位置どった僕は沖、上、ボトムと見渡せるように中層をゆっくり動いて行く。海底にマダラエイが見えたね。ジンベエ無し。
ジンベエサーチその2
もう、日が陰っている薄暗い時間。条件は良くない。ボートまでは大して遠くないから、短い時間のサーチだけど、運があればと寒い夕方の風の中ドーニーの上に立って暗い海面にジンベエの影を探して行く。でも、結果は伴わない。
12/23/08 第3日目
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南部 Maamigiri Out くもり 28℃
今日の昼前までがジンベエサーチのリミットだけど、情報的にも望みはかなり薄いみたいだ。昨日ジンベエを見られたのはダイビング中に当った2チームくらいだろうって結論。どっちにしろ朝のうちのハイタイドに望みをかけたい。空は思いっきり雲って来た。光りの弱い朝日と雲では海面から見つけるのは難しいけど、定位置の屋根の上から、何も無い海面を見渡す。担当チーは交代してるから今回も僕は沖ばしり。大きなモブラが頭上に1枚見えてもたいした慰めにはならないかな。
ジンベエサーチその3
最後のサーチ。今日も回りでボートがウロウロしているだけ。みんな同じようにジンベイが見つからないみたいだ。昨日よりコンデションも悪い。雨が降ったり止んだり。風は北西かと思えば東に代わりドンドン向きが変わって時化って来ている。チョースローで船をリーフ沿いに進め、Uターン。何も出ないまま再びマアミギリの端まで戻って来てしまった。時間的にはもう1回リーフ沿いに進む時間しかサーチはできない。まぁ、結局は出なかったんだけど。いきなり新シーズンはスタートからジンベエ外しでスタートになってしまった。
前期は好調だったから、久々の敗北感でかなり落ち込む。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南西部 RangarliMadivaru くもり 28℃
ジンベエは乾期のが難しいって聞いた事も有るから乾期らしい乾期なのかと思えばここでも苦しいダイビングがまっていた。乾期の有名マンタポイント。まだ流れが安定してないから出たり出なかったりとは聞いていたけど、、、、。
先ずは潜り初めで根沿いを大きいマダラトビエイがじっくり横顔を見せながら目の前を通過。去年と同じオーバーハングでインディアンバタフライに再会。この子は数が少ないだけにモルディブリピーターの注目も高かったみたい。
ヨスジフエダイとノコギリダイとインディアンバナーの群も前の乾期と同じでいてくれて、いよいよマンタが出るかなと根沿いに進んで行くが結局無し。
ダイビング後のいっそ無冠の旅ってのも面白いなんて優しい事言ってくれるゲストもいたけど、マンタポイントでマンタが出ないのは、そこまで前期と同じではなくていいのに。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁中西部 Reethi Thila 晴 28℃
ジンベエに続いてマンタが外れた事でいよいよ苦しい旅になってしまった。北へ随分移動したからか天気が良くなって明るい日差しが戻って来てくれたのがうれしい。根を降りて行くといきなりグレーリーフシャークが何度も登場して近く寄って来たりして楽しませてくれる。キラリと光りを反射させてブラックフィンバラクーダが来たと喜んだけど5匹。群じゃないの?ちょっと前まで60くらい群れていたのに。少し着いて行くと仲間と合流したようだけどそれでも20以下の群。暫く見ないうちに何が有ったのだろう。天気の良くなった光り溢れるトップリーフの綺麗な珊瑚達は癒し系だなー。
12/24/08 第4日目
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁中東部 Fish Head 晴 28℃
運には波が有るからいくらここのナポレオンが仲良しでも、外れる事が無いと思ってもまさかここでも外れるかなんて不吉な思いが頭をよぎりながらドブンと飛び込み、潜降。全員いるなと見たところで前進開始。取りあえずナポレオンに出てもらって安心したい。泳ぎ始めてすぐにみんな着いて来ているかなって振り向いたら、真ん中にナポレオン。ちょっと目が・。探すのに苦労するより肩すかし的にこんな出方もいいか。ナポレオンを丁度やって来た的場チームに譲り、流れの上手に向かう。イソマグロが4本並んで頭上を追い抜いて行く。丁度、流れの上手に回り込んだところでロウニンアジがフュージュラーの群を囲むように追い込んで行く。ブワァッと水を振動させて一斉に泳ぐフュージュラー。勢い余ってゲストにまっしぐらに突っ込んで行くロウニンアジ。根を1周したところでイエローバックの大群がゆっくり泳いでいる。根から離れて群の外側に回り込みゆっくり流れに乗りながら黄色く染まった海を流して行く。
位置 POINT 天候 水温
アリ環礁中部 Maaya Thila 晴 28℃
根の横に降りて行くと5m程下のムチカラマツに3mm程のエビを見つける。小さい物いらないからって言っていたゲストがどんな顔するのかなってちょっといたずら心がむくむくと育ってしまい。ちょっと大きい動きでそこそこって指差す。何か大きいものがいるのかなってエビより随分先を覗いている。もっとこっちって呼んで最後にルーペ渡した時にじっとルーペを見た姿。それでも律儀にエビ見てくれてありがとう。潮が緩いせいかカスミアジ、ロウニンアジもチョロチョロしてのんびりなムード。根の落ち際にムレハタタテダイが群れている。脅かしたら群がギュッと固まって右往左往するから黒と白の半円模様が重なりあってグルグルグルグル模様が廻っているように見える。じっと見ていると目が回って来た。
位置 POINT 天候 水温
ラスドゥー環礁 Madivaru Corner 晴 28℃
濁りキツいなー。今見えている壁が外に面しているか内側に面しているんだか見下ろしているだけじゃ分からんぞ。外側の壁に沿って泳いで行くと以上にデブなグレーリーフシャークがちょっと下のやはり壁沿いをゆったり泳いでいる。このサメは壁沿いがよっぽど気に入っているのか、こっちに脅かすような動きをする突っ込み屋がいなかったからか、ダイビングの終わりまでずっと根沿いを泳いでいた。根の先っぽ近くではやはり太い巨大なイソマグロがヌーっと通過して行く。そろそろギンガメの群が出ないかな、回りを見回すけど見あたらない。チャネルの少し内側に回り込みながら大きめのUターンして行くと大きめのギンガメが固まっているのが見えて来た。グルッと回り込んで外壁側にギンガメを追い出して行く。長い稜線を辿って浅場に上がって来るとブラックピラミッドバタフライが大量に群れている。ちょっと悪戯。脅かし脅かししていると、ドンドン密度よく群が固まって視界いっぱいブラックピラミッドで溢れた。
12/25/08 第5日目
位置 POINT 天候 水温
ラスドゥー環礁 Rasdhoo Madivaru くもり 28℃
又、白濁している。最近のこのポイントはいつも濁りがきつい。早朝の深場に降りて行くと眼下には真っ暗な海が広がる。そして何もない。そして無冠の旅に又一歩近づいた。ぎゃー。
位置 POINT 天候 水温
北マーレ環礁 Boduhithi Thila くもり/晴 28℃
前の乾期ではマンタにとっても苦労させられたのでこのマンタポイントにもいい思い出はあまり無いけど、今期はまだどうか分からない。マンタの登場に期待してダイビング開始。斜面の始まりくらいで大きめのホワイトチップがフラフラと泳ぎ回る。降りて暫く前進すると斜面終わりくらいに一抱えくらいの岩の上にマダラエイが乗っている。不安定に見えるんだけど何でこんな岩に乗っているんだろう。ハンバーガーのクラウンみたい。そっと逃げないように離れて他のチームに譲ると後ろからタンクの音がする。鳴り方は聞いたことがないからゲストなんだなと思いつつも何人かがバトンタッチするみたいに音が鳴り続ける。これはもしかしてとちょっと戻ろうとしたらマンタが沖側からダイバー達の真ん中を抜けてやって来る。ぎゃー、マンタ1匹。0冠、無冠のが話が面白いかもなんて話してるゲストもいたけど、何も無いよりいいか。
位置 POINT 天候 水温
北マーレ環礁 Boduhithi Thila 晴 28℃
ジンベエ出無くて諦める時もランガリでマンタが出なかった時もクールにノーチョイス、どうしようもないなんて言っていたくせに、やっぱり気にしているのね、マウルーフも。マンタくらいもっと出るだろ。もっと出ろよって気持ちで再チャレンジ。しかし、そんな都合良く、人間の気持ちに合わせてくれにのが海で自然だから見事なはずれ。
帰り道、いつものようにドーニーの屋根に上がる。たまにはジンベエ出るって言うしね。意外に移動初めてすぐに何かの影を発見。よく見ると次から次に黒い影が見つかる。ジンベイの期待は虚しく。マンタ。10枚以上マンタ。半分くらいダイビングポイントに来てくれればいいのに。無情にも側のリーフには集まっていたのね。ご希望の方、スノーケリングでどうぞ。でも、流れてます。頑張ってキックして定位置キープして下さい。
石渡 隆之
Island Safari1