メナド・ミンピ号クルーズの航海日誌2004年①
2009年4月23日(木)
8月1日
成田空港で今回の参加者。山田さん、巌さん、三原っち、直ちゃんと
カウンター近くで出会う。北海道からの参加である(澤田夫妻はシンガ
ポールで)。
シンガポール空港に到着が夜中の1時、シンガポールで出国審査を行
い、税関のゲートで出て、左端のあるSIAストップオーバー・ホリデ
ィカウンターにツアーヴァウチャーを提示して、送迎車にてホテルへ。
ホテル到着時間は2時過ぎ。シャワーを浴びて、ベットへ、TVを付
けると、NHKの子供相撲大会がやっていた。朝、ウエイクアップコー
ルで6時20分に起き、6時50分にホテル玄関に集合。送迎車にて空
港へ。
なんだかんだで送迎車が遅れ、また、もうひとつのホテルのゲストも
ピックアップしたために、結局、空港到着7時50分。しかし、朝早く
、車窓からの「ちょっとしたシンガポール観光」を楽しんだ。それにし
ても町のあまりにも近代的な姿に驚かされる。荷物はメナドまで預けて
いるため、1泊分の手荷物だけ。身軽身軽。空港までの実質の移動時間
は約20分。
入国審査を受け、空港内へ。空港内の両替所で、インドネシア・ルピ
アとUSドルを交換。USドルはインドネシアの入国ビザ(US25ド
ル)やミンピ号クルーのチップのため。インドネシア・ルピアは帰国時
に空港で支払う、空港税75,000Rpのため、などなど。(クルー
ズ中の飲み物などは、USドル、ルフィア、クレッジトカードでも支払
うことができる。
8月2日
9時50分発のシルクエアーに乗り込み約3時間でメナドへ。到着は
2時10分。送迎車に乗り込みホテル・サンティカメナド内にあるタラ
サ・ダイビングセンターへ。3時過ぎに到着。タラサダイビングセンタ
ーのオーナーであるシモーネからミンピ号の説明を聞き、ミンピ号に乗
り込む。5時前に港を出港、一路海底温泉のあるマハゲタン島へ。この
時期、南からの風が強く吹くことが多く、3時間北上した岬の先端で正
式なプランをキャプテンやクルーと相談する。多少、風波があるものの
、無事、北上することに決定し、一安心。夜空には、満月が浮かび、ミ
ンピ号を明るく照らしてくれる。船先のデッイチェアに横になり、みん
なで夜空を眺める。ゲストの山田さんは、あまりにも明るい月明かりに
感動し、大海を小さなクルーズ船で夜走ることは少し怖いと感じるが、
月明かりがとても神秘的で贅沢な気持ちになれると話していた。
明日のために就寝と部屋に戻ろうとすると三原っちと直ちゃんは部屋
に戻らず、サロンにソファで眠りについていた。
8月3日
事件は2日の深夜に起こった。順調に進んでいたミンピ号だが、みん
なが就寝した後、大きく揺れはじめ、結局、午前1時にバンカ島から北
上したビアロ島に停泊。早朝、7時の朝食時に、風がおさまり、海況が
良くなったので午前中に一気にシアウ島まで北上することに決定した。
約5時間の航海、途中、数等のイルカ発見。また、溶岩流が流れ出た跡
が残るルアン島をゲストはサンデッキから眺める。Tシャツを着たまま
眠りこむゲストの中には、変な日焼け跡が残る。ファーストダイブはB
atu Lehi(バトゥ・レヒ)シアウ島の西側に位置するポイント
。クルーズでの最初のダイビングのため、ノンビリとしたダイビング。
垂直に落ち込むドロップはスミレナガハナダイやナポレオンが見られ、
コーナーを超えるとなだらかのサンゴ礁になり、太陽の光に照らされて
いた。海底は、コンビクトブレニーの群れに覆われ、リーウはクマザサ
ハナムロ、ウメイロモドキが群れていた。
ランチをとって、セカンドダイブ。ポイントは少し北上したName
ng Point(ナメンポイント)。ここは前回の取材時にギンガメ
アジの大群に出会った場所。エントリーして、黄色いウミウシを発見。
そのリーフを左手に進んでいくと、コーナー付近ではムレハタタテダイ
やカスミチョウチョウの群れがゴッチャリと群れていた。外洋側では数
匹のカンムリブダイの群れ。コーナー付近は潮当たりもよいため、魚群
が濃い、お目当てのギンガメアジの群れは少し外洋側にいて、前回のよ
うに囲まれることはなかった。コーナーを越え豊かなサンゴ礁が広がる
リーフへ、ウメイロモドキに囲まれる。大きなバラクーダが横切る。ガ
イドのニコはウミウシなどの小物を見つけるのが得意。2ダイブとも、
ゲストに一生懸命に小さな生き物を見せていた。
ダイビングの後、ミンピ号にダイビング器材を置き、その足でディン
ギーに乗り込み、天然温泉へ。直ぐ近くあると思っていたが、意外に遠
く、ゲストの身体はより冷え、もうたまらんと。数十分後、小さな入り
江に到着、そこは不思議な温泉。入り江の中央は表面から30センチほ
どが温かく、その下は冷たい。でも絶好の場所を発見。入り江の一番置
く。背が立つほどの水深で下は砂地、この砂地が問題で湧き出る熱湯は
火傷するほど。でもうまい具合に岩場があり、その上に乗ったり、腰掛
けると、全身が温かいお湯に包まれる。ダイビングの後の贅沢な遊び。
火山島での最高の遊び方。ちょうど夕焼けの時間となり、周囲の岩肌が
オレンジ色に染まる。いつまで入っておきたい気持ちを抑えつつ、ミン
ピ号へ戻る。なんだかんだと時間は過ぎていく。いざナイトダイビング
へ。山田さん、巌さん、千春さんはキャンセルして船上でのんびり。残
りのみんなで港の近く、ペラブハム ペヒ(Pelabuhan Pe
he)で潜る。ガイドのニコがアカククリの幼魚を発見。黒にオレンジ
色の縁取りでとてもキュート。寝ぼけているのか、みんなの格好に被写
体に。その後、エビカニ系や寝ているお魚を観察。澤田さんは80cm
級でぶっといキリアナゴがチョウチョウウオを捕食するの目撃したそう
だ、羨ましい。私もハタの仲間がハギを咥えている所をニコに教えても
らう。やっぱりナイトは面白い、と独り悦に入る。
オープンデッキでの夕食の後、みんなで海の話などとりとめもない話
で盛り上がる。でも、三原っちは独りデッキチェアーでグター。時間は
どんどん過ぎていく。風が止み、明日は無事、海底温泉があるマハゲタ
ン島へ行けますようにと祈りながら、ベットに潜り込んだ。
8月4日
朝、目覚めると雨。風も強く、マハゲタン島への北上を断念。進路を
変え、マホロ島周辺のダイビングポイントへ。シアウ島での水の給水な
どで時間がかかり、昼前に1本目のダイビング。ポイントはMuka
Kampung(ムカカンポン)。マホロ島の東側のポイントでドロッ
プオフのポイント。リーフの先端は黄色やオレンジ色のソフトコーラル
が豊富で美しいウォール。ニコがマダラトビエイを発見したが、少し遠
くて見えない。私はウミウシがホヤを捕食している場面に出会い。感動
の撮影。その後潮の流れで進路変更。大きなカンムリブダイの編隊に驚
き、浮上。マホロ島の景観は切り立った大きな岩が聳え立ち、ヤシの木
の間に白い砂地が広がる。まるで映画のセットのよう。昼食後、2本目
のダイビング。Batu Jendela(バツ ジェンデラ)といポ
イント。スロープ状の傾斜。潮当たりのよい先端でマダラトビエイに遭
遇。またその周囲ではあまり他のポイントでは見られないキツネベラが
多い。ハナヒゲウツボの成魚、幼魚やアジアコショウダイの若魚などマ
クロの見所は多い。エキジット前に浅瀬でゼブラハゼのコロニーをたく
さん発見。
シアウ島に戻り、バナナとビンタンビールの買い出し。港町をゲスト
全員で探索。溶岩が流れ出た跡が残る通りを横切る。フレッシュバナナ
とフライドバナナも購入し、ローカルタクシーにみんなで乗り込み港ま
で。ナイトダイビングは直ちゃんと私とニコの3人でエントリー。ポイ
ントはSawahg(サワン)。砂地の傾斜にサンゴの根が点在する。
ブダイの膜張りやピンクスクワットゴビー、チョウチョウコショウダイ
の幼魚やパイプフィッシュなどたくさん発見。45分はあっという間に
過ぎていく。昨夜よりも温かく、直ちゃんもご満悦、もしかすると、ク
ルー以外で一番元気なのは直ちゃんかも。その後、サンデッキで夕食。
コーンとマッシュルームのホワイトソースは少し甘くて不評。朝食のヌ
ードルや昼食のビーフのスープがゲストのお気に入り。10時30分ま
でみんなで会話。海の話、澤田さんの北海道での生活の話などなど。巌
さんはジャンジャンビールを空けていく。今日は千春さんが船酔いから
開放。良かった、良かった。三原っちはずーっと夢の中。山田さんが、
誰よりも三原っちのことを心配している。
明日朝、5時にルアン島へ向けて出港する。
8月5日
午前中にルアン島に到着。波の静かな場所に停泊して、New La
va Fiow(ニューラバフロー)へ。
大きな波を乗り越えて、ポイントに向かう私たちのボートの様子を澤
田さんはまるで、ネイビー×××のようだと形容していた。んー確かに
私たちは、屈強なダイバーに映るはず。海面と違って、水中はまるで穏
やか、浅瀬のサンゴ礁は美しく、点在する根はウミシダなどのカラフル
な生物に彩られている。太陽の光が少ないものの、サンゴ礁の豊かさに
は心奪われる。直ちゃんはそのサンゴの美しさに人一倍感動していた。
午後、ビアロ島へ出発したかったが、波が高いため、予定を変更して、
Tagulandang Is(タグランダン島)へ。途中大きなクジ
ラの死体が海面に浮いていた。できれば、水中でお会いしたかった。三
原っちと直ちゃんは、初めて近くで見たクジラが死体とは、複雑な気持
ちと言っていた。私も購入して、初めて使う望遠レンズの最初の被写体
がクジラの死体。こちらも複雑な気持ち。
タグランダン島での2本目のダイビングはMinahga(ミナガ)
、ドロップオフのポイントでこちらも様々な腔腸類などでカラフルな印
象を受ける。心地よい潮の流れに乗りながら、水深を変えて、様々な魚
をウォッチング。少し遅いランチをとり、Newポイント・Yasu
pointへ。こちらは、初めて潜るポイントで、なぜ私の名前が付い
てしまった。去年の取材時に、そういえば、ビアロ島周辺の新しいポイ
ントの名前も私の名前だった。これから先、一体いくつ、直ぐに忘れ去
られる私の名前の付いたポイントが増えるのだろうか・・。地形は緩や
かなサンゴ礁のポイント。小さな根の下で、イヌザメやブルースポッテ
ッド・スティングレイも発見。千春さんにエイを教えても、冷静な反応
…。悲しい。その後ウミウシの何種類などを見つける。巌さんは先頭を
切り、サンゴの根の下を覗いたり、好奇心旺盛。ダイビングの後、澤田
さんの、予想外に面白いポイントだったねっという言葉に一安心。
夜、ナイトダイビングはキャンセルして、みんなでサンデッキで食事
。お魚に付ける、ダブダブという唐辛子の入ったソースは女性陣と澤田
さんに人気。ご飯のあと、みんなに重大発表。それは、タグランダム島
からでる船の話・・。その内容は、ゲストだけの秘密…。夜遅くまで、
みんなで話す。潮風が心地よい、でもあまり、強くならないで・・。
8月6日
夜中3時にミンピ号はタングランダム島を出港。波があり、船は揺れ
ながら、どんどんと進み始める。
バンガ島に到着は約10時。白砂の島が美しい静かな湾に停泊し、い
ざダイビングへ。ポイント名はSahaung(サハウン)。大きな根
に蛍光ソフトコーラルがごっちゃりと群生しているカラフルなポイント
。エントリーして、水深を落としていくと、ハナヒゲウツボの幼魚を発
見。その後、砂地でアケボノハゼのペアを発見。ハゼの中でもアケボノ
ハゼが一番美しいと言っていた澤田さんに報告、澤田さんはデジカメで
撮影開始。キレイなソフトコーラルの前でウミウシを発見、三原っちを
呼んで、三原っちは撮影を開始する。その後、グリーンの蛍光ソフトコ
ーラルにいるハゼなどに注目するが、三原っちはー26mにピグミーシ
ーホースへ。
その後、棚の上では潮が早くなり、巌さんと山田さんは根の上に掴ま
り、ちょっとした鯉のぼり状態。巌さんは安定しているもの、山田さん
は悪戦苦闘。その後、潮に流されながら、浮上を開始。下にナンヨウハ
ギを見つけ、流れながら注目。直ちゃんと後で、ドリー(映画ニモに出
ていたキャラクター)が居たねと嬉しい報告を交換した。
白砂が眩しいほど、太陽に照らされたビーチを眺めながらランチ。天
気も抜群で山田さんと、僕の顔は日焼けでズルズル。女性人はもちろん
、キレイキレイ。
2本目のダイビングはTanjung Sepia(タンジュウセピ
ア)。スロープ状のサンゴ礁と砂地のポイント。私は、三原っちとカメ
ラを交換。私は2倍撮影用のカメラを手に入れる。ここでは、なんと大
きなオオモンイザリウオ。黒とミドリの個体を4匹もニコが発見。また
コブシメなどを含めたくさんものを発見。残念だったのは、ボートに上
がるとき千春さんはダイブコンピューターを海に落としてしまう。それ
を知ったガイドのニコは探す、探す。ミンピ号に私たちが帰ってあとも
、ロナウドと一緒にまたボートを出してコンピューターを探しに行って
いた。残念ながら見つからなかったが、彼らのその努力は嬉しいばかり
。千春さんも申し訳なさそうに・・・。そして、彼らのホスピタリティ
にめっちゃ感謝していた。ええスタッフや。
夜は白砂にビーチでバーベキュー。ニコとアルフィは夜のためにキャ
ンプファイヤーを用意する。まるで、子供の工作のような作業に私も参
加。とても大きな、キャンプファイヤーが誕生した。6時30分に上陸
してビールを飲み始めるとゲストに約束したものの、ロナウドは地元酒
であるチャプティクスをボートで買いに行ったが、7時になって帰って
こない。イライラ・・。ニコとスタッフでゲストに謝るも、ゲストはみ
んな、大丈夫、大丈夫と快い返答。ちょっとゆるいインドネシアタイム
がみんなの中にも流れはじめているのだろうか、いや、温かく理解して
くれているのであろう、感謝。その後すぐに、ロナウドがペットボトル
に入った妖しい酒を持って戻ってくる。どうやら、海がうねっていて、
大変だったそうだ。(ごめんね、ロナウド。)
いざ、ビーチでディナー。皿に盛られた料理をもって上陸。もちろん
、ビールも山盛り積んで。クルーズ最終日のため、澤田さん、千春さん
夫妻もビール解禁!ビールをグビグビ飲み、チキンや温野菜の地元料理
、ガドガドを食べながらの楽しい夜。ゲストのみんなはスタッフと記念
写真。みんな笑顔、笑顔、良かった。ご飯を食べ終えると、千春さん、
直ちゃん、山田さんがヤシの葉で作ったたいまつからキャンプファイヤ
ーに点火、まるで夜空に届きそうな炎に、みんなのテンションは上がる
、上がる。立派なキャンプファイヤーというよりも、ワイルドな焚き火
。熱い熱いと叫びながら、炎に近づいては、撮影パシャパシャ。南国の
島で焚き火の温かさが何故か心地よい。良い頃合をみて、ミンピ号へ、今度はサンデッキで飲み直す。もう買い足したビールまで全部飲んでし
まう勢い。サロンでニコとアルフィが大音量で踊っている。なんと巌さ
んも腰を振り振り参加していた。こんな風に旅を楽しめる人は素敵だと
思う。夜はどんどん更けてゆく。
8月7日
朝目覚めると、ミンピ号はタリセの岬を越え、メナドの向かう途中だ
った。早起き組みの山田さんと巌さんはもうサロンにいた。下船して、
タラサダイビングセンターへ。シモーネの笑顔の迎え。飲みのものなど
の支払いを済まし、ホテルのプールサイドやレセプションで、久しぶり
の陸を味わう。タラサダイビングセンターのオフィスで働く、ノファの
提案で、少し空港に行く時間を早め、途中、お土産屋さんにいくとセッ
ティングしてもらった。で、最後にまた、問題発生。後で分かったこと
だが、実はドライバーがお土産屋さんを見つけることができず、地元の
スーパーで買い物をすることに(ノファはドライバーにカンカンだった
、もうこんな失敗はありません、とのこと)。でも、三原っちと直ちゃ
んは、もともと、お土産屋さんより、スパーのほうが良かったらしく、
品物を買う、買う。サンバル、ナシゴレンの素、などなど。澤田さんと
千春さんも同じような買い物を。巌さん、山田さんは入り口でぼーっと
。その後、チョコアイスを食べながら、空港へ。
ゲストのみんさん、ありがとうございました。今年は天候がおかしく
、通年通りではなかったそうです。船も揺れ、メナドの海の魅力をうま
く伝えることができなかったこともありましたが、また、ご一緒させて
ください。その後、僕はホテルサンティカに戻り、レセプションに置い
てあった。細木数子さんの占いの本を初めて手にとった。来年から僕の
運勢は良くなるとのこと・・・・、少し期待。