海洋動物の不思議な感覚
2013年7月26日(金)
1. 水中に住む動物たちは、世界を見て感じるために様々な方法を使っています。海に住む動物たちは私達人間と同じように、周囲を知るために自分の感覚に依存しています。しかし、彼らが感じ取れる味覚、触覚、嗅覚、聴覚、視覚は私達が感じる方法とはかなり異なっているのです。
食べ物を確認する時に、舌ではなく脚を使う種や耳の代わりに皮膚で音や振動を感じることのできる種など様々です。このような適応力は、地上で生活する私達にとっては少し奇妙なことですが、水中では獲物を見つけたり捕食者から逃げたり、仲間とコミュニケーションを取るために無くてはならない感覚なのです。
では、海洋動物が持つ発達した感覚のいくつかを一緒に見ていきましょう!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
2. 水で囲まれた世界は、水が足されたりすると感じたり、音がしたり、味(濃度)が変わったり、においが変わったり、色が変わったりする不思議な世界でもあります。
水中に巣穴を作る生物もまた、ユニークな適応方法を持っています。それぞれの種により異なりますが触角、目、鼻孔、エラなど全ての部位に明確な目的があり、水中で特別な役割を果たしています。
写真提供:ワカトビゲスト Larry Abbott
3. タコにとって触れて感じることのできる触覚は非常に重要な役割を持っています。
タコの腕は小さな吸盤で覆われており、何かを掴む時に役立つだけではなく、この吸盤は微妙な感覚を感じ取れる高感度の触覚でもあるのです。それぞれの腕の先端にあるセンサーでにおいを検出し、吸盤が触れることによりタコは“味わう”ことができる、味覚の役割も果たしています。
瓶の中や小さな穴の中のように、狭い場所が好きなのでチェックしてみてください!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
4. リラクゼーションマッサージやフェイシャルを受けるのは好きですか? 実は似たようなことが、水中のクリーニングステーションで起きているのです。
捕食者や“ストレスを抱えた魚”が来ると、アカシマシラヒゲエビやホンソメワケベラなどのクリーナーたちは皮膚に付着した寄生虫を取り始め、きれいにしてもらう方はその行為が気持ちいいようで、そこに長く居座るようになり、クリーナーとホストの関係が生まれるようです。
柔らかなタッチは誰にも好まれますが、サンゴ礁の広がる水中では、クリーナーフィッシュはエサにもありつけるというメリットもあるのです。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
5. モンハナシャコなどのシャコの仲間は、他の動物が見ることのできない世界を見ることができる優れた視力を持っています。
私達人間は両方の目を使い(両眼視)物を見ていますが、シャコのそれぞれの眼は、3つのセクションに分かれていて三眼視で見ることができるだけではなく、それぞれの眼を別々に動かすこともできるため、そっと後ろから近づいてもすぐに見つかってしまいます。
また、私達は目を左右に動かすことができますが、シャコの仲間はそれぞれの眼を前後左右別々に動かすことができるので、簡単に周囲を確認することができるのです!
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
6. シャコの仲間は、地球上で一番優れた視力を持っていると考えられており、動物界でも最も複雑な目を持っているとされています。
ユニークな三眼視は円偏光も認識でき、紫外線領域を含む12のカラーチャンネルを持つため、10万色の色を識別することができるのです! これとは対照的に、私達人間はわずか3つのカラーチャンネルしか持っていないため、一万色までしか識別することができないそうです!
そして、シャコの仲間は世界に400種以上も生息しているというからまた驚きです!
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
7. ほとんどの魚は顔の前方両側に発達した目を持っており、この配置により全ての方向を見ることができます。
いくつかのハゼやギンポは、それぞれの目を別々に動かし、とても面白い表情を見せてくれることもあります。彼らは小さい岩やサンゴの枝に止まり、片目は一方、そしてもう片方の目は別の方向を見ながら周囲を確認しています。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
8. ウミウシは、主に嗅覚を使い世界を感じています。
頭の上には、二本の触角がありここから匂いを検出しています。ウミウシは、海水中に溶け込んだ匂いの元をたとえ微量でも感知することができるそうです。触角の毛のような構造は、より良い情報を得るためのものであり、何かに脅されると引っ込んでしまいます。このユニークなセンサーは、エサを探し出したり、捕食者から逃げたり、仲間を探す時にも役立っています!
写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller
9. ウツボは、視力がとても悪いため優れた嗅覚を持っています。鼻孔から匂いのもとを辿り、獲物を探し出して捕獲するのです!
ハナヒゲウツボのように、より多くのにおいを取り込むために扇状の鼻孔を持っている種もいます。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
10. ほとんどの魚は唇、舌そして口全体に食べ物の味を感じることの出来る味蕾(みらい)という小さな器官を持っています。
口の周りにある繊細な細胞がたくさんあることにより、食べ物に触れただけで味が分かってしまうのです!
写真提供:ワカトビゲスト Richard Smith, www.oceanrealmimages.com
11. ヒメジの仲間は、舌の代わりにヒゲの部分に味覚を感じることの出来る味蕾を持っています。
砂地でよく見られるこの種の魚は、砂中の無脊椎動物などの小動物を探す時にこのヒゲを使います。しかも、口に入れる前に味が分かるというからさらに驚きです!
写真提供:ワカトビゲスト Paula Butler
12. 視力の悪いナマズもまた、ヒメジのようにヒゲの部分に味蕾を持っているため、砂の中に隠れている小動物を見つけることができます。
砂の中にヒゲを入れて、移動しながらエサを探します。
写真提供:ワカトビゲスト James Watt
13. 人間のような耳が魚に付いている訳ではありませんが、魚は水中のかすかな音でもハッキリ聞くことができる、非常に発達した聴覚を持っています。
多くの魚は、音を使って仲間とコミュニケーションをとっています。また、イシモチやホウボウ、シマイサキなど一部の魚は鰾(うきぶくろ)を震わせて音を出す魚もいます。
写真提供:ワカトビゲスト David and Ronnie Heng
14. いくつかの魚は、聴覚と触覚の間をとったような感覚を持っています。
魚の各側面にある水中の振動や動きを感じることのできる線状のセンサーがあることにより、障害物を避けたり、獲物や捕食者を察知したり、群れを作るときに役に立っているそうです。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
15. サメやエイは、鼻孔の奥にゼリー状の物質が固まった管を持っていて電場/電気を感じることのできる特別な感覚器官を持っています。
この超高感度のセンサーを使い、水中で雑音が無い限り800km以上離れた魚の心臓の音を感知することが出来るのです!!また、地球の磁場を使い、広い海をナビゲートしているとも考えられています。
写真提供:ワカトビゲスト Gal Goyen
16. 多くの魚は、特殊な紫外線のスペクトルで見ることができるため、ほとんどのスズメダイの仲間は、私達より多くの色を認識することが出来るそうです。
私達が見ている以上にカラフルなサンゴ礁とは、一体どんな世界なのでしょう?
写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller
17. 味覚、嗅覚、視覚、触覚、聴覚そしてさらなる感覚・・・変わったコミュニケーション方法や変な行動など、水中世界には本当に不思議な事がたくさんあります!
ダイバーとして、水中生物たちが彼らの感覚で見たり感じたりする私達人間はどのように映っているのか想像することから初めてみましょうか?
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
可愛いけど毒を持っているフグについて
2013年7月9日(火)
この可愛い目は、フグフェチにはたまらないですよね???1. ワカトビの海では、危険を感じると体を膨らませ針を立てるハリセンボン科やハコフグ科、フグ科など様々な種類のフグに会う事ができます。それでは、どんなフグがいるのか見ていきましょう。
写真提供:ワカトビゲストSteve Miller
2. 世界には120種類以上のフグの生息が確認されていて、そのほとんどがサンゴ礁の広がる海で見ることができます。常に針を見せているハリセンボンとは異なり、フグは攻撃されるまで防御モードの体勢を崩しません。ほとんどの場合、フグは大きなおたまじゃくしのような形をしていて、膨らんだ目と鼻の辺りは子犬の様にも見え、フグフェチにはたまりません!フグの体長は、2.5cmから1.3mのものとサイズも様々です。
写真提供:ワカトビゲストKendra and Mike Chittenden
3. 一見、表情が豊かに見える大きくてとても特徴のある目をしている可愛いフグですが、他の魚のようにとてもいい視力を持っています。また、それぞれの目を別々に動かすことができるため、広いエリアを簡単に見渡すことが出来るのです!
写真提供:ワカトビゲストSteve Miller
4. また、両目を前に向けると奥行きもきちんと見られる優れた目を持っています。一部のフグは、サングラスの役目を果たす虹彩という膜を持っているため、明るい光の下でも簡単に周囲を確認することが出来ます。
写真提供:ワカトビゲストPaula Butler
5. 小さな胸びれと背びれを使って水中を泳ぎ回るのには苦労しませんが、あまり早く泳ぐことが出来ないため、フグが泳ぎで他の魚に勝つことはありません。しかし、危険が迫ると一目散に逃げていきます。 舵の役目をしている尾びれが、急速発進の時にも役立ちます。フグは優れた視力と急速発進できる能力を組み合わせることで、多くの危険から逃れることが出来るのです!
写真提供:ワカトビゲストMark Snyder
6. 敵から逃げ切れない時は、フグは体を膨らませるという次のプランを使います。フグは体を膨らませるために、急いで水を飲み込み柔軟性のある胃に送り込むと、倍の大きさにまで膨張します。こうするだけで、一部の捕食者を阻止するのに十分です。しかし同時に、隠れていた針を立たせるとほとんどの捕食者は手を出してこないのです!
写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller
7. フグの体の多くの部分とそれぞれの針には、致命的な毒素で満たされているので、捕食者が気をつけなくてはいけないのは、外見だけではありません。
テトロドキシンと呼ばれるこの強力な神経毒を持つフグは、コロンビアの熱帯雨林に生息している金色の猛毒吹き矢蛙に続き、世界で二番目に最も有毒な脊椎動物ということになります。
写真提供:ワカトビゲスト Marina and Victor Zaslavsky
8. フグの毒は、サメなどの大型捕食動物を殺すほどの効果はありませんが、人間は簡単に死に至ることになります。このように、致命的な毒を持っているのにも関わらず、日本や韓国では珍味として食べられている種がいくつかあるため、外国の方からすると驚きなのも頷けます。
訓練を受け資格をもった料理人がフグを裁いていても、残念ながら死亡事件は何件か起きています。
写真提供:ワカトビゲスト Rob Darmanin
9. フグは雑食性であり、サンゴやカイメン、岩やサンゴに生える藻、ウニやヒトデなど様々な植物や動物を食べます。フグの大型種は、貝類やエビ、カニなどの軟体動物も食べます。
写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens
10. フグ科の学名を見てみると “Tetraodontidae” とあり、大きな4本の前歯というのを意味しています。これらの歯は、軟体動物や甲殻類の殻を壊すために使われます。
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
11. 多くのフグは比較的単調な模様ですが、独特な模様を持っている種もあります。ケショウフグは、人間の指紋のように個体ごとで若干異なる模様をしています。 幼魚はカイメンの上で休んでいる姿がよく見られ、沈船やオーバーハング、大きなテーブルコーラルの下では成魚が頻繁に見られるので、きっとフグは単独行動が好きなのでしょう。
写真提供:ワカトビゲスト Paula Butler
12. アラレフグは、くちばしのような口を使ってカイメンをバクバク食べちゃいます。その他にも、ホヤやカニ、貝類、藻類も好んで食べます。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
13. フグはユニークな防御方法を持っているだけではなく、実はとても変わった求愛方法をするのです!
いくつかの種のオスは、砂地に複雑な円形を作ることで、メスの注意を惹きます。メスは気に入った模様の所で、オスと一緒に水面に向かって泳いでいき卵を受精させます。その直後、受精卵となった卵は、オスの作った円の中で落ち着く訳です。より複雑なデザインは、メスに気に入られる可能性が高いようなので、オスは精巧な円形を作れるよう頑張るようです。
写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller
14. フグも他の多くの魚のようにクリーニングステーションへ行き、ホンソメワケベラやオトヒメエビ、テナガエビなどから寄生虫を取ってもらいキレイにしてもらうのが大好きです。リラックスできるので、この場所がお気に入りなのでしょう! きっと、私達がスパとかに行って、マッサージを受けるのと同じことしれません。
またこんな時は、体を膨らませたり、泳ぎ去ってしまったりする可能性が低いので、私達ダイバーが近くまでアプローチするのに最適の場面です。
写真提供:ワカトビゲスト Mark Snyder
15. コクテンフグは、黒い斑点が身体中にあり、灰色や黄色、白っぽいものなどカラーバリエーションが一番豊富なフグです。まれに、金色またはオレンジ色の個体が見られることもあるので探してみてください!
サンゴの豊富なエリアを好み、日中はオーバーハングなどの割れ目付近にいたり、ミズガメカイメンを見つけて休んでいたりします。この種は主にハードコーラルを好み、特に枝サンゴの先端やイソギンチャクを好んで食べます。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
16. 大きなクリクリお目々に可愛らしい子犬のような顔のフグは、写真を撮るダイバーにも人気の魚です。追いつめられたり、脅威を感じたりすると体を膨らませ、針がある場合は針を立ててしまうので、可愛いショットは撮れなくなってしまうので気をつけましょう。
写真提供:ワカトビゲスト Paula Butler
17. フグが膨らんだ姿を見るために意図的に追いつめたりするダイバーがいますが、この行為は魚にストレスを与えるだけではなく、魚がダイバーを怖がる原因になってしまうかもしれません。他のダイバーがこの可愛い魚に会える機会をなくさないためにも、今度フグを見かけたら少しスペースを空けて観察または撮影するように心がけましょう。
写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller
ワカトビのここがすごい!
2013年6月19日(水)
「どこからも遠く離れている」「手付かずのサンゴ礁」「ラグジュアリー」「心からのおもてなし」「エコ・フレンドリー」「ユニーク」・・・このような言葉は、ワカトビダイブリゾートを訪れたお客様がコメントする言葉の一部です。
1. 都会の喧騒から遠く離れたワカトビダイブリゾートは、五つ星のリゾート設備と美しい海の両方を兼ね備えている、世界でも最高のリゾートのひとつとして評価されています。
素晴らしいサービスを提供しているということで、トリップアドバイザーよりCertificate of Excellence 2013を受賞しました!この一年間で、旅行者達から非常に高い評価を獲得したことにより与えられるこの賞は、限られた施設にのみ贈られるものなのです!
写真提供:Didi Lotze ©
2. ワカトビダイブリゾートは、ハイクオリティのサービスと快適さを提供するだけではなく、地球上で最も生物が集中するとされるエリアでのダイビングを満喫できる、世界クラスの隠れ家なのです!
写真提供:Shawn Levin ©
3. ワカトビはスラウェシ島の南東にあり、インドネシアのバンダ海の端に位置しています。リゾートは、トゥカンベシ列島のトランドノ島の西側の海岸沿いにあります。ワカトビと言う名前は、実はこのトゥカンベシ列島の4つのメインの島の頭文字をまとめたものなのです!(北から、ワ:Wangi Wangi、カ:Kaledupa、ト:Tomia、ビ:Binongko)
玄関口であるバリ島からワカトビまでは、西へ約1,000キロの所にあります。たくさんの小さな島が点在するインドネシアでは、空港会社がたくさんのルートを設けていますが、ワカトビまで行くのには複数のフライトとフェリーを乗り継ぎ2日間半もかかってしまいます。しかし、リゾートのある島の隣トミア島にはリゾート専用の滑走路があるため、バリから特別チャーター機を使うとたったの2時間半で到着することが出来るのです!専用の空港からリゾートまでは、ボートで15分程です。
4. 手付かずで残る美しい自然や白砂のビーチがあるこの恵まれたロケーションは、サンゴや海洋生物が地球上で最も集中するエリアという理由から、ワカトビの創設者であるLorenz Maederによって選ばれました。
写真提供:Didi Lotze ©
5. オーシャンフロントにあるリゾートからは、目の前一面に海が広がり美しい夕日が目の前に沈んでいきます。そして、すぐ前にはインドネシアで一番きちんと保護されている素晴らしいハウスリーフが広がるのです!
このエリアは、ナショナルパークとして保護されているのとワカトビの創設者によって作られた独自の海洋保護プログラムの両方によって保護されており、ワカトビの海洋保護プログラムは、リゾートの活動から得られる収入でサポートされています。
写真提供:Didi Lotze ©
6. ワカトビのお部屋タイプには、オーシャンフロント・ヴィラが4部屋、オーシャンバンガローが14部屋そしてパームバンガローが8部屋あり、全てのお部屋はこの地域のスタイルを取り入れたクラシックな木造の建物です。どのお部屋を選んだとしても、のんびりリラックスしたホリデーをお過ごしいただけるはずです!
写真提供:Didi Lotze ©(ワカトビのヴィラ)
7. ワカトビのヴィラはリゾートで一番良いカテゴリーのお部屋で、島の北側ビーチ沿いの小高い岩壁の上にあります。この2ベットルームタイプのヴィラは、1部屋をラウンジとして贅沢にお二人でご利用いただくか、2部屋とも寝室として4名様でお使いいただくか選ぶ事ができるお部屋です。
4部屋あるヴィラのうち、2部屋には海を見渡せるプライベートのプランジプールが付いています。
写真提供:Didi Lotze ©(ワカトビのヴィラ1)
8. 全てのヴィラは、開放感とエレガントさをコンセプトに装飾されており、最高の快適さとリラクゼーションを提供いたします。
写真提供:Didi Lotze ©(ワカトビのヴィラ)
9. ビーチ沿いに並ぶオーシャンバンガローは、ワカトビで一番人気の高いお部屋で、このタイプのお部屋もエレガントに仕上がっています。
アジアンスタイルを取り入れたアウトドア・シャワーがあることも人気の理由のひとつです!
写真提供:Didi Lotze ©(オーシャンバンガロー)
10. ビーチに面したお部屋の目の前には美しい海が広がり、デッキには心地よい潮風が入り、のんびり過ごすには最適のバンガローです。
写真提供:Didi Lotze ©(オーシャンバンガロー)
11. バンガローは全て同じサイズなので、多くのリピーターのお客様はビーチ沿いではなく、南の島の木々に囲まれたパームバンガローを選ぶ方もいらっしゃいます 。熱帯の楽園をイメージさせるようなインテリアに大きなバルコニー、ハンモックもご用意しています。また、パームバンガローにご滞在のお客様も、お部屋に備え付けのLANケーブルを使ってインターネットに接続することが可能です。
写真提供:Didi Lotze ©(パームバンガロー)
12. 通常、遠隔地にあるリゾートでの食事にはあまり期待できませんが、ワカトビはそれを覆し見事なお料理を提供しています! ワカトビにいらっしゃるお客様がご利用になる特別チャーター機で、新鮮な食材も頻繁に運ばれてくるため常にクオリティーの高いお料理をご用意しています。
ビーチサイドにあるリゾートのレストランでは、バラエティー豊かなお料理をブッフェスタイルでご用意しています。
写真提供:Wakatobi Dive Resort ©
13. それぞれお食事はスープや前菜、日替わりのメイン料理、フレッシュフルーツ、デザートなどブッフェとは思えない、バラエティー豊かで品質の良いお料理をご用意しています。インドネシア国外でも働いたことのある経験豊富なシェフ達が、美味しくて体にいいメニューを作ってくれます。地元で捕れた新鮮なお魚は、お刺身やお寿司、インドネシアスタイルのバーベキューにして捕れたその日に調理してくれます。
ワカトビのシェフは、どんなリクエストにも快く対応いたしますので、特別な要望等ございます場合は、事前にバリのコンシェルジュスタッフまでお申しつけください。
写真提供:Wakatobi Dive Resort ©
14. 人気のあるサービスの一つとして、ロマンティックな夜を演出するためプライベート・ディナーがあります。これは、誕生日や結婚記念日、そして新婚旅行のカップルなど特別な機会を祝うのに最適なオプションです。
写真提供:Wakatobi Dive Resort ©
15. ダイビングはスキップして、バルコニーでのんびり朝を過ごしたいというお客様のために、アラカルトの朝食ルームサービスメニューをご用意しています。ご希望のお時間に、お客様のバンガローまたはヴィラまでお届けします!
写真提供:Didi Lotze ©
16. ダイビングを一日楽しんだ後に、みんなのお気に入りの場所“ジェッティバー”でカクテルやビール、ワインなどお好きなお飲物を召し上がりながら、水平線に沈んでいく夕日を眺められるスポットがワカトビにはあるのです! 桟橋の先端にあるため、ハウスリーフのドロップオフもそこから見ることができます。ここから見る夕日は一生の思い出になるはずです。
写真提供:Wakatobi Dive Resort ©
17. ワカトビのスパは、身体の芯からリラクゼーションできる静かなオアシスです。きちんとトレーニングを受けたセラピストたちは、バリ式のスタイルと東洋と西洋両方のテクニックを詳しく知っているため、お好みのスタイルで癒やしてくれます。
このスパでは、バージン・ココナッツオイルをベースにショウガやローズマリー、ジャスミン、サンダルウッド、ラベンダー、イランイランなどのエッセンスを取り入れたオリジナルのオイルを使用しています。また、ボディマッサージだけではなく、フェイシャルやアロマテラピー、ホットストーンマッサージ、ボディスクラブなど様々なメニューをご用意しています。
写真提供:Didi Lotze ©
18. 私達は、お子さま連れのご家族にもご利用しやすいダイブリゾートでありたいと考えております。小さなお子さま連れのダイビングホリデーは実現が難しいとお考えかもしれませんが、そんなご心配は無用です。ここワカトビでは、キッズクラブにてあらゆる年齢のお子さまの面倒を見させていただきますので、小さなお子様をお連れのお客様でもダイビングホリデーを思う存分お楽しみいただけます。また、インドネシア料理のクッキングクラスなど、お子様と一緒に楽しめるアクティビティもいくつかご用意しています。
ワカトビのキッズクラブについての、詳しい情報は japan@wakatobi.comまでお問い合わせ下さい。
写真提供:Didi Lotze ©
19. ロングハウスと呼ばれるワカトビダイブリゾートのメインの建物には、ダイブセンターやカメラルーム、テクニカルまたはリブリーザーダイバーのセッティングエリア、ラウンジ、図書館、メディアルーム、ギフトショップなどがあります。また、このロングハウスのエリアでは無料でWiFiをご利用いただけ、ラウンジ内にはインターネットにアクセス可能なパソコンもご用意しています。
リゾート滞在中に受講できるクラス(クッキングクラス、インドネシア語レッスンなど)について詳しくは、japan@wakatobi.comまでお問い合わせください。
写真提供:Shawn Levin ©
20. ワカトビダイブリゾートには豊かなサンゴ礁が広がり、多様な海洋生物が生息する環境の整った素晴らしい海として知られているため、色々な目的地がある中でも欧米で人気を集めています。
ダイビングやスノーケリングが、ワカトビではメインのアトラクションです!
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
21. リゾートでは、14人のダイバーを乗せることができる24mの地元で造船されたダイブボートを使っています。(14人乗せることができますが、通常は10〜12人です。)屋根付きで、広々としたベンチのあるこのダイブボートは、器材のセットや水面休息をとるのに十分なスペースがあり、中央にはカメラテーブルやカメラ専用の水槽、ダイブタオルがあり、後方にはお手洗い、予備の器材、緊急用酸素など必要なものが全て揃っています。
ハウスリーフでダイビングまたはスノーケリングをするお客様のために、タクシーボートも運航しています。
写真提供:ワカトビゲスト Warren Baverstock
22. ワカトビの経験豊富なダイブスタッフは、 皆様にダイビングをお楽しみいただけるようダイバーのレベルに合わせるだけではなく、個人的なニーズにもお応えできるよう努めています。
珍しい生物を教えてもらいたい、中性浮力をマスターするポイントを教えてもらいたい、水中写真のモデルになって欲しい、または写真を撮る時のサポートをして欲しいなどのリクエストにお応えするため、ワカトビではプライベート・ダイブガイドのサービスをご用意しております。専属のガイドとプライベートでじっくり潜る事ができます!
写真提供:Didi Lotze ©
23. レアな生物も割と頻繁にワカトビの海で見ることができ、まだ識別されていない新しい種が見られることもあります。マクロ好きなダイバーにはたまらないこのようなオオマルモンダコも、ハウスリーフで見ることができます。ハリメダゴーストパイプフィッシュを観察しているとカンムリブダイが奥を通り過ぎたり、ピグミーシーホースを観察しているとロウニンアジが通り過ぎたりと、水中では思いがけない出来事の連発です!
ワカトビのダイブガイドは、それぞれの生物の生息地を知っているため、サンゴ礁に隠れた生物や珍しい生物を簡単に見つけることができます。もし、見たい生物がいたらリクエストしてみてください!
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
24. リゾートの周辺には40以上のダイブサイトがあり、多種多様な生物を見ることができます。このエリアには600種以上のサンゴ、そして3,000種以上の魚が確認されており、この他にも様々なエビやカニ、タコ、イカも生息しています。
本当に美しいサンゴ礁が広がっているこのエリアを積極的に保護し、未来の子供たちの世代まで残せていけたらと考えています。
写真提供:ワカトビゲスト Mark Snyder
25. 詳しくは、ワカトビの新しいブログhttp://blog.wakatobi.com/wordpress/ をご覧いただくか、直接japan@wakatobi.comまで、ご遠慮なくお問い合わせください。
写真提供:ワカトビゲスト Allan Saben
コーラル・ジャングル:“木を見て森を見ず”
2013年5月24日(金)
1. “木を見て森を見ず”(意味:物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失う)ということわざがあるように、細部に目をとられ全体像を見逃してしまう時があります。透き通った水に太陽の光が差し込み、サンゴ礁の素晴らしい景色が広がるワカトビでは、簡単に全体像をとらえられることができますが、時にはサンゴやカイメンなどに住む小さな魚や無脊椎動物に焦点を当ててみるのも面白いものです。上手にカムフラージュしている生物もいれば、シンプルにとても小さいためサンゴが密集しているリーフでは簡単に見つからない生物がたくさんいるのです!
森の深さをきちんと把握するためには、立ち止まりじっくりそれぞれの木に目を向けてみると雄大な美しさを感じられるはずです。この考え方に基づき、いつもよりもゆっくり泳ぎ、違った目線で水中の景色を見てみると新しい発見があるかもしれませんよ。
写真提供:ワカトビゲストWalt Stearns
2. サンゴ礁を熱帯のジャングルに例えると、ウミウチワは森にある木といった感じでしょうか? いくつかのウミウチワは、直径4m以上にまで成長しますが、実はウミウチワやヤギの仲間はサンゴ礁を形成するサンゴではありません。石灰質の外骨格を持つ造礁サンゴなどのイシサンゴがサンゴ礁のベースとなっており、成長していく課程でカルシウムなどを生成しているのです!
写真提供:ワカトビゲストWalt Stearns
3. 約500種のウミウチワが世界で確認されていますが、そのほとんどが浅瀬に生息しています。(この場合の浅瀬とは、2mから60mの深さを意味しています。)
ワカトビのエリアには、黄色や緑色のウミカラマツや様々な色のウミウチワそしてアカヤギやムチヤギなどバラエティーに富んだヤギの仲間もたくさん見ることができます。
写真提供:ワカトビゲストMark Snyder
4. ワカトビのダイブサイト“ファンガーデン”で撮影した一枚です。正に名前の通り、生き生きとしたたくさんの美しいウミウチワが広がり本当に素晴らしいダイブサイトのひとつです。
一部のウミウチワは、ポリプの内部に褐虫藻類を共生させているものもあり、光合成をして栄養を得ています。通常、紫や赤、ピンク、オレンジ、濃い黄色などの色鮮やかなポリプを持つウミウチワには褐虫藻が共生しているため、カラフルな発色をしているのです。
写真提供:ワカトビゲストWarren Baverstock
5. 褐虫藻類を共生させていないと栄養源を得ることができない種のウミウチワは、水中のプランクトンなどに依存しているため他のサンゴよりもアクティブです。(そうなのです!ウミウチワは触手を使い他の動物を食べているのです!) ほとんどのハードコーラルは夜になると捕食し始めますが、ウミウチワは浮遊物が多くなる流れが強い時にとても活発に活動するのです。
写真提供:ワカトビゲストWayne MacWilliams
6. ウミウチワのサイズや形状、外見は生息するローケーションにとても左右されます。
柔軟な扇形のタイプは潮通しの良い岩壁の浅瀬でよく見られ、背が高くて薄く、そして硬い枝を持つタイプはより深く、割と穏やかな海域を好む傾向にあります。
写真提供:ワカトビゲストRodger Klein
7. 森に棲む木のように、ウミウチワもとてもゆっくり成長していくので、良いサイズになるまでに何百年もかかります。そして、大きな木のように、大きなウミウチワにはウミシダやカイメン、小さな魚やエビなど様々な動物の住み家にもなっています。
よ〜く見てみると、ピンク系でかわいいミナミゴンベなどがカイメンの上から私達ダイバーを覗いていたりします。どっちが見られているのか分からなくってしまいますね!
写真提供:ワカトビゲストWalt Stearns
8. ゴンベの仲間など、様々な魚をウミウチワの周辺で見つけることができます。その中でも、長い口に編み目模様が素敵なクダゴンベは特に人気のある魚のひとつです。目立つ模様なので見つけやすそうですが、ウミウチワの枝の間に上手に隠れていたりするので、意外と見つけるのが難しいのです。
写真提供:ワカトビゲストMark Snyder
9. クダゴンベは、ウミウチワの枝で周囲を観察しながら休むのが好きなようです。木の枝から辺りを窺う鷹のように、小さな魚や甲殻類、無脊椎動物を見つけるとダーツのように獲物をめがけて泳いでいきます!残念なことに、赤い編み目模様が素敵なクダゴンベの大好物は、ピグミーシーホースということはご存知でしたか?特に、ダイバーのカメラやビデオのストロボで光を浴びたピグミーシーホースは、見えやすいのか格好の餌食になってしまうのです。
写真提供:ワカトビゲストFrank Owens
10. ピグミーシーホースはヨウジウオ科に属するメンバーの一種で、全部で7種あるうちの4種がワカトビのエリアで見られるのです!! 4種類のうち、バーギバンティピグミーシーホースとデニースピグミーシーホースの2種類は一生をウミウチワで過ごします。写真だとはっきり分かりますが、肉眼ではウミウチワの一部のようにしか見えません!素晴らしいカムフラージュ術ですよね?
ワカトビのダイブガイドは鋭い目を持ち、彼らが好む生息地を知っているので、頭からつま先まで1cmにも満たないピグミーシーホースを見つけてくれるはずです!
写真提供:ワカトビゲストRichard Smith(デニースピグミーシーホース)
11. ピグミーシーホースが好む環境を知っていたとしても、ウミウチワの中で見事にカムフラージュしたこの可愛くて小さな生物を探すのは、簡単なことではありません。
ピグミーシーホースが危険を感じると、私達ダイバーに背を向けるように内側を向いてしまうため、そうなってしまうと小さなポリプと区別するのにとても難しくなってしまいます。ですので、この小さな有名人を上手に撮影するには、辛抱強くゆっくりと慎重に動く必要があります!
この写真の中にはバーギバンティピグミーシーホースが3匹いるのですが、全員見つけられましたか?
写真提供:ワカトビゲストMaurine Shimlock
12. ピグミーシーホースを探していると、もしかしたらヨウジウオ科の親戚のようなカミソリウオ科に属するニシキフウライウオを見つける場合もあるかもしれません。カミソリウオ科の中でも、とてもカラフルで華やかなこの魚は、インド・太平洋で見られるエキゾチックな生物のひとつです。
ギザギザでスパイク状の体はウミシダの腕のようにも見え、同じ色のウミシダやヤギ、ウミトサカの近くでひっそりと浮いていることがほとんどです。流れにのってゆらゆらと揺れる姿は、私達ダイバーを魅了してくれます。
写真提供:ワカトビゲストWalt Stearns
13. 潮通しのいいサンゴ礁には、大きくて様々な種類のウミウチワが生息しています。
ウミウチワがピグミーシーホースの宿主であるように、ウミウチワにくっ付いているウミシダもいくつかの生物の宿主です。
写真提供:ワカトビゲストWalt Stearns
14. ウミシダに住むのは、コマチコシオリエビだけではありません!
ウミシダカクレエビやウバウオもウミシダを宿主としていて、ひとつのウミシダにこの3種類の生物が全て生息していることもあります。これらの生物の体色は、宿主の色とパターンに合わせているのも魅力的な特徴です。
写真提供:ワカトビゲストWalt Stearns
15. ハダカハオコゼがウミウチワの枝で休んでいる時もあります。葉っぱのように体を左右に揺らせながら木の葉に擬態し、小さい魚や甲殻類を狙います。個体により藻類の点々が付いていたりで模様が異なり、カラーバリエーションも豊富です。
写真提供:ワカトビゲストDoug Richardson
16. たまに、ウミシダの幼生時と勘違いされるクモヒトデもウミウチワに絡み付き日中を過ごします。暗くなるとウミウチワを離れ、エサを探しに動き回ります。夜行性であるクモヒトデは、また明るくなると元の場所に戻るそうです!
写真提供:ワカトビゲストSteve Miller
17. 葡萄の実のようにも見える樽状の美しいホヤは、鮮やかな色のものもあれば半透明の姿をしているものなど様々です。カイメンのようにも見えるかもしれませんが、実はホヤは脊柱(せきさく)を持つ原索動物とされ、全ての魚類、爬虫類、鳥類、哺乳類の胚で見られるのと同じ柔軟で棒状の脊索を持っているのです。(脊索:原索動物と脊椎動物の幼生期に見られる柔軟な棒状体で、成長する過程で退化していく器官。)
世界の海では、2,000種類以上のホヤの生息が確認されています。バラエティー豊かで‘海の鈴’のようなホヤに注目です!
写真提供:ワカトビゲストRob Darmanin
18. 分類される魚類の中で一番大きなグループを持つハゼ科の魚は、世界に2,000種以上いるとされていて、生息地も砂地でテッポウエビと共生する種やムチカラマツを好む種など様々です。ウミウチワに生息するハゼは、 お腹をすかせた大きな魚に見つからないよう体色をウミウチワとマッチさせているユニークなハゼの一種です。
写真提供:ワカトビゲストMark Snyder
19. 大きなウミウチワは、幼生期を安全に過ごすのに役立つ場所でもあります。米粒ほどの大きさのイカやコブシメの赤ちゃんは、ウミウチワの影に隠れないとすぐに誰かの餌食となってしまうので、森のようなウミウチワに身を潜め成長していきます。
写真提供:ワカトビゲストWayne MacWilliams
20. だから、今度ダイビングに出かけた時は一歩下がり美しいサンゴ礁の森を見てから、それぞれのウミウチワをじっくり観察してみてください。そうすると、新しい発見があるかもしれませんよ!
写真提供:ワカトビゲストWarren Baverstock
人生はカーニバル
2013年5月15日(水)
1. ワカトビでは、水中の生物によるショーが毎日行われています。人生はカーニバルのようであると例えられる事もありますが、ワカトビでダイビングをしていると「本当にそうだ!」と思うはずです。水に入った瞬間からあなたの目の前で特別なショーが始まり、水中を潜っていくと鮮やかな色が辺り一面に広がり、フェスティバルの会場そのものです。
この水中カーニバルは、年齢そして男女問わず誰もが楽しめ、誰でも参加することができる場所です。ワカトビの透明度の良い海に感激したからといって、急いではいけません! ショーに出演しているメインの魚たちのほとんどは小さいので、ゆっくり泳ぎながら観察してみましょう。
写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller
2. 商品を売り歩く行商人のように、ホンソメワケベラが客引きをしている声が今にも聞こえてきそうです!
皆さんもご存知このホンソメワケベラは、他の魚にしがみつく寄生虫を食べてくれる魚です。寄生虫が大きくなっていくと、その分ホストである魚の栄養素も多く奪ってしまうため、魚は邪魔になるとホンソメワケベラのいるクリーニングステーションにやってくるのです。そして、きれいなネオンブルーの魚に口や鰓の周りをきれいにしてもらうのです!
写真提供:ワカトビゲスト Rob Darmanin
3. カラフルなイソギンチャクに住む色鮮やかなクマノミたちは、みんなの人気者です。
クマノミの仲間はスズメダイ科に属し、インド洋〜太平洋では25種類が確認されており、半数近くはワカトビのエリアで見ることができます。小さなグループを形成する彼らは、一匹の大きくてボス的役目を果たすメスと成熟した小さなオス、そして何匹かの未成熟なオスと幼魚で構成されています。メスが死んでしまうと、成熟した小さなオスがメスへと性転換し、グループの新しいメスとして役割を果たしていくのです。
写真提供:ワカトビゲスト Rob Darmanin
4. 華やかな衣装はカーニバルには欠かせないものの一つです。参加者は、大きな羽根や豪華な装飾をまといパレードしていきます。
サンゴ礁が広がる水中の世界では、様々な生物が目を見張る姿をしています。
例えばこのハナミノカサゴは、ダンサーの羽根のような鰭を持ち、仮面舞踏会に出るのか豪華な仮面をかぶっているように見えませんか?
写真提供:ワカトビゲスト Alan Saben
5. このアデヤッコも、黄色いマスクを付けているように見えます!
このような美しい生物が、ワカトビのエリアにはたくさん生息しています。
写真提供:ワカトビゲスト Mark Goyen
6. コブシメなどイカの仲間はカムフラージュの達人でもありますが、彼らが素晴らしい色のショーを繰り広げることはご存知ですか?
コブシメは、体の色と質感を周辺にマッチさせることができるだけではなく、色を使い仲間とコミュニケーションを取ったり、異性の注意を惹いたり、ライバルのコブシメまたは獲物を混乱させるパフォーマンスをすることができるのです。
身体中に電流が流れているような波をうっているような、明るい色と暗い色が様々なリズムに合わせ変化していきます。最も驚かせられるのは、体の色を瞬時に変えられる能力です!
写真提供:ワカトビゲスト Mark Snyder
7. カーニバルには、ちょっと不思議で奇妙な登場人物も欠かせません。
シャコの仲間は、地球上で一番優れた視力を持っていると考えられており、動物界でも最も複雑な目を持っています。ユニークな三眼視は円偏光も認識でき、紫外線領域を含む12のカラーチャンネルを持つため、10万色の色を識別することができるのです!これとは対照的に、私達人間はわずか3つのカラーチャンネルしか持っていないため、一万色までしか識別することができないのです! モンハナシャコなどのシャコの目の動きを見てみると、それぞれの目を別々に動かせることが分かります。彼らは、全ての方向をチェックすることができるので、後から忍び寄って写真を撮ろうとしても無理ですね。そして、観客を驚かせてくれるシャコ科の仲間は、なんと400種以上もいるのです!
写真提供:ワカトビゲスト Steve Rosenberg
8. 不思議で奇妙といえば、エンマゴチの目もとても変わっていますよね?
コチ科の仲間は、ワニのような平たい頭部と鼻、そして砂地やガレ場に上手にカムフラージュできるような模様をしています。この迷彩模様は体だけではありません。よく見ると黒い瞳を分岐する虹彩被膜が覆っていて、とてもユニークな目をしています。また彼らは獲物を待ち伏せ、無防備な獲物に一気に攻撃する魚でもあります。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
9. 剣を飲み込むショーが‘すごい!’と思う方は、同じサイズの魚を飲み込むことのできるカエルアンコウのことも気に入るかもしれません!!
いいサイズの魚を捕獲するためには、優れた釣り竿とエサが必要になりますが、カエルアンコウの仲間は、背びれの第1棘先端にエスカと呼ばれる疑似餌を持ち、これで他の魚を誘惑し、大きな獲物も丸呑みしてしまうのです!どのくらい早く獲物を捕らえるかというと、目にも留まらない6ミリ秒です!!(ミリ秒=1000分の1秒)
写真提供:ワカトビゲスト Steve Rosenberg
10. 華やかなニシキフウライウオも、水中でのカーニバルに欠かせない役のひとつです。
長い管状の鼻と体には、髭のようなたくさんの繊維状の短い皮膚で覆われています。魚らしくない奇妙な形と豪華な装いのため、サンゴ礁に生息する生物の中でも人気の高い魚ですが、彼らの生態についてはほとんど明らかになっていません。
オスとメスのペアで見られることが多いですが、時には小さなグループで見られることもあります。生息する周辺に関係するのか、黄色、赤、黒などカラーバリエーションも豊富で、ウミシダや海ウチワの周りを、頭を下にした状態で泳いでいます。
写真提供:ワカトビゲスト Werner Thiele
11. けむくじゃらで小さな生き物といえば、ピンクスクワットロブスターです! これらの可愛い生物を間近で見ると、何でこんなへんてこな生物がいるのか、面白くて笑えますよね?
ロブスターと名前が付いていますが、実はコマチコシオリエビと同じコシオリエビ科に属しています。この奇妙な生物は、十脚目に分類されるエビの一つで10つの足を持っているので、8つの足を持つ通常のカニとも異なります。最後の2足は、呼吸器や鰓と一緒に甲羅の後部下に隠されているため、ほとんど見ることができません。
この妖精のようなエビは、鮮やかなピンク色の体に紫がかった毛がたくさん生えている、甲長1センチ〜1.5センチほどのとても小さな生物です。彼らは、大きなつぼ状のカイメン(Xestospongia testudinaria) の隙間に生息するのを好み、インドネシアのサンゴ礁や岩礁で見ることができます。日本ではまだ確認されていないようです。
写真提供:ワカトビゲスト Julie Edwards
12. よくダイバーに向かって泳いでくるウミへビですが、心配しないでください。このウミへビは毒を持っていますが、攻撃的ではないので襲ってくることはほとんどありません。どちらかと言うと、彼らの方が興味を持って近づいてくるのかもしれません。
籠から顔を覗かすヘビのように、このウミへビも新鮮な空気を吸うためにダイバーのすぐ横を通り抜け、水面へ向かっていきます。サンゴ礁に隠れる小さな魚を捕食すべく、ひと呼吸するとまた潜っていきます。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
13. ここには世界最小の馬(ホース)がいる! とPRし、客引きをするサーカスもあるかも知れませんが、ワカトビでは、世界最小のピグミーシーホースを見ることができます!
この写真のピグミーシーホースはデニースピグミーシーホースという種で、体長は1.5センチほどで、カラーバリエーションは白っぽいオレンジ、黄色、ピンクがかった黄色など、生息する海ウチワにより色が違ってきます。また、メスが未受精の卵をオスのお腹に移し11日後、オスが6〜15匹の赤ちゃんを産むのです!!
写真提供:ワカトビゲスト Steve Rosenberg
14. 文字どおり! オランウータンのような風貌のオランウータンクラブは、クモガニ属の一種で長い歩脚を持ち、体は赤茶色の毛で覆われているので、インドネシアのジャングルに住む毛むくじゃらのオランウータンにそっくりです!
容姿が似ているだけではなく、ミズタマサンゴの上をゆっくり動く姿やゆっくり腕を伸ばし何かを取ろうとする姿など、動きもとても良く似ています。
写真提供:ワカトビゲスト Steve Rosenberg
15. 陽気なお祭り騒ぎが続くカーニバルは、夜になっても続きます。
ワカトビでは、全く違う水中世界を体験できる“Fluo-Diving”(フルオ・ダイビング)というサービスがあります。マスクに専用のフィルターを装着し、特別な水中ライトを持ってナイトダイビングにでかけると、サンゴや水中生物が蛍光発光している姿を見ることができるのです!
蛍光発光とは、ひとつの光(または色)の波長が吸収され、そして再放出するときに発する光であり、波長の光(または色)とは全く違ったものなのです。蛍光発光する対象物に白い光をあてると実際の色で見ることができますが、UVライトをあてると、青色が吸収され再放出する色が蛍光色で見ることができ、全く違う明るく輝く蛍光発光の色で見ることができるのです!
ワカトビのガイドがアカエソを見つけてくれたので、フルオのライトを当てると、ケミカルライトまたはグロースティックのように明るい黄緑色に発色したのです!
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
16. この蛍光発光するイソギンチャクは、ナイトダイブで‘The Zoo’というダイブサイトに行った時に発見したものです。
同じ深度、同じ海域に生息する同じ種類のサンゴが隣り合って並んでいたとします。しかし、この2つのサンゴが全く違った活動をしているとは、誰が予想できたでしょうか? 特別な水中ライトを使ってみると、1つは明るい黄緑色を発し、もう1つは明るいピンクや黄色または全く発光しないサンゴなど、全く説明がつきません!!
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
17. パレードの行列が目の前を通り抜けていきます。
通常、魚は同じ種で同じくらいの大きさ、そして同じくらいの年齢で群れを作るようです。群れをなす理由として、捕食者から身を守るためやより良い餌場を見つけられる、異性をみつけるためなど多くの理由が挙げられます。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
18. カーニバルが終わりに近づくと、鈴や笛が鳴り響き盛り上がりもピークを向かえます。大成功のカーニバルは、みんなの良い思い出となることでしょう。
水中世界も同じで、一度楽しみを知ってしまうともっともっとと欲が出てきますが、オーバーハングの内側や次の角、リーフの少し深い所などをいつもよりジックリ見てみると、新しい発見があったりするものです。 個人個人によって価値観こそ異なりますが、水中世界での経験は、私達に掛け替えのない貴重なひとときをくれるはずです。
写真提供:ワカトビゲスト Rodger Klein
ワカトビダイブマジック
2013年4月30日(火)
ワカトビのクルーズ船ペラジアン号では、海洋生物が密集しているとされるコーラルトライアングル内に位置する、インドネシアのスラウェシ島南東にある島々と環礁を巡り、美しいサンゴ礁でのダイビングとマックダイブのコンビネーションでダイビングを楽しむことが出来ます! 写真をクリックすると、ギャラリーをご覧いただけます。写真提供:ワカトビゲストWayne MacWilliams
1. 太陽が沈むと、甲殻類など夜行性の動物たちが行動を開始し始めます。泳いでいくと私達の水中ライトの先には、体の中に電流が流れているかのように虹色に色を変えるアオリイカが暗闇の中で踊っています。
ワカトビのクルーズ船ペラジアン号では、海洋生物が密集しているとされるコーラルトライアングル内に位置する、インドネシアのスラウェシ島南東にある島々と環礁を巡り、美しいサンゴ礁でのダイビングとマックダイブのコンビネーションでダイビングを楽しむことが出来ます!
写真提供:ワカトビゲストWayne MacWilliams
2. ペラジアン号のクルーズルートには、インドネシア・スラウェシ島の南東にあるブトン島で、マックダイビングをするエリアも含まれます。
「マックダイビングって何?」という方のために簡単に説明しておきましょう。マックダイビングとは、砂地やガレ場または桟橋の下などに隠れているカエルアンコウなどの生物を探しに行く、言ってみれば“宝探し”に出かけるようなダイビングなのです。
写真提供:ワカトビゲストSaskia van Wijk
3. ブトン島のパサールワジョと言う町がある湾内に、チーキービーチというダイブサイトがあります。ペラジアン号のゲストとダイビングに出かけると、やんちゃな子供達がビーチを駆け回り、私達に手を振ってきます。子供たちが宝探しをして遊ぶ様に、ここでは私達ダイバーもヒョウモンダコやオオマルモンダコなどの珍しい生物を探しながらダイビングを楽しみます!
写真提供:ワカトビゲストSteve Rosenberg
4. チーキービーチだけではなく、ほとんどのマックダイビングのサイトでは潜るたびに新しい発見があるため、繰り返し同じサイトで潜っても充分楽しむことが出来ます。そして、このコールマンシュリンプのペアのように、さらに特別な何かを見つけられた時には、もう一度チーキービーチに潜りにいこうか考えてしまうのです:)
ワカトビのエリアには様々な種類のエビが生息していますが、その中でもコールマンズシュリンプは人気が高く、よくゲストにリクエストされるエビの一種です。ペアで見られることが多く(大きい方がメス)、毒を持つイイジマフクロウニの棘の真ん中に絶妙に陣取っています。ホストであるウニの毒棘がエビに害を与えることはありませんが、エビは居座るエリアを自分で作っているので、無闇に動かさない様にしてくださいね。
写真提供:ワカトビゲストSaskia van Wijk
5. 「初めてダイブクルーズに参加し、今回ペラジアン号でダイビング200本達成記念のお祝いをしていただきました。手作りケーキで皆様に祝っていただき、良い思い出になりました。クルーの皆様にとても良くして下さって感謝しています。本当に至れり尽くせりのサービスに感動しました。300本達成記念もぜひペラジアン号で達成したいと思っています。」 J.K 2013年4月
ペラジアン号では、それぞれのガイドとともに2隻のテンダーボートに別れてダイビングに出かけるので、とても快適に1日4本(70分)のダイビングをお楽しみいただけます!
写真提供:ワカトビゲストShawn Levin
6. ペラジアンが行く‘バチカン’というダイブサイトでは、色々な種類のテンジクダイやカラフルな幼魚が見られるサイトです。テンジクダイ科に属するほとんどの魚は夜行性のため、日中は浅瀬にあるサンゴの下や小さな穴などに隠れていますが、夜になると出てきて捕食し始めます。また、彼らは口内保育をする魚としても知られています。
写真提供:ワカトビゲストSteve Rosenberg
7. テンジクダイ科の中でも人気の高いマンジュウイシモチは、8.5センチ程まで成長します。長い背びれと黄色い顔に赤い目を持つこのカラフルな魚は、フォトグラファーにも人気があります。危険を感じるとショウガサンゴなどの枝サンゴの中に隠れてしまうので、いい写真を撮るポイントとして、忍耐強くゆっくりアプローチする必要があります。
写真提供:ワカトビゲストWayne MacWilliams
8. イレズミウミヘビやクモガニ、シャコ、タコなど、実はマックダイビングのエリアでするナイトダイブは最高に面白いのです!
この派手なワンダーパスも夜になると頻繁に姿を現します。特定の動物に擬態するのが上手なミミックオクトパスとよく似ていますが、微妙に模様が違います。この写真は、ハンティング上手なタコが穴から出てきたかと思ったら、カメラの前でポーズを取ってくれたラッキーショットです。
写真提供:Wakatobi Dive Resort
9. 絶対見たい魚のリストの上位にニシキテグリが入る場合は、ペラジアンクルーズで訪れる‘マジックピア’を強くオススメします!
コンクリートでできた桟橋の下は、5mから8mのなだらかな砂地のスロープになっていて、そのままゆっくりと25mまで続いています。この桟橋の浅瀬にあるコンクリートブロックの隙間が華やかなニシキテグリの住み家になっているため、本当にたくさんのニシキテグリを見ることができます。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
10. 「マジックピアでのダイビングはとても面白かったです。ニシキテグリの交尾シーンをじっくり見られただけではなく、初めて3匹で浮上していく姿も見ることができました!」海洋学者:リチャード・スミス
サンセットダイブに出かけると、ニシキテグリのオスとメスが求愛ダンスをし、共に浮上していき精子と卵を同時に放つ姿を見ることができます。
写真提供:ワカトビゲスト Richard Smith
www.Facebook.com/OceanRealmImages
11. 「英語の苦手な私達には、日本人スタッフの乗船は大変嬉しかったです。クルーの方の細やかなお気遣いや毎日の美味しいお料理、そして今回はリゾートでは出来なかった大好きなマックダイブができて、ダイビングも満足です。特にマックダイブの所でやったナイトダイブは最高に面白かったです。また機会があったら宜しくお願い致します。」 S.T 2013年4月
マジックピアでのダイビングは、ニシキテグリだけではありません。コンクリートブロックの隙間からは、ウツボが顔を出しアカシマシラヒゲエビにクリーニングをしてもらっている姿もよく見かけます。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
12. カミソリウオ科の魚もマジックピアの周辺を漂うのを好むようです。
カミソリウオ科に属するニシキフウライウオは、ニシキテグリと同様このエリアでもとてもエキゾチックでカラフルな魚とされています。ウミシダに擬態しているため、ウミシダの腕ようにギザギザした感じのスパイク状の鰭が体中にあります。ウミシダやウミウチワなどの近くでよく見られるので、チェックしてみてください。
生息している場所により色を変化させるためカラーバリエーションも豊富で、体を垂直にして頭を下にした状態で泳いでいます。しかしじっくり観察してみると、水平に泳いでいる姿も見ることができます。
写真提供:ワカトビゲスト David Gray
13. 「今まで見たいと思っていた、ほとんどのマクロの世界をここで観ることができました。ペラジアン号の豪華な設備、おいしい食事、クルーの気配り、そして何よりも素晴らしい海の環境、全てにおいて大満足なダイビングクルーズになりました! ありがとうございました。」 神代昌計 2013年3月
全長36mの船にゲストの人数を10名までに制限しているため、広々としていてラグジュアリーなスタイルを取り入れたサロンと各船室で、のんびりダイビングクルーズをお楽しみいただけます。
写真提供:ワカトビゲスト Didi Lotze
14. 「ペラジアン号は欧州のお金持ちの個人ヨットに乗せてもらったような経験となりました。ゆったりとしかも機能的につくられており、動いているのもあまり分からない程、快適な船でした。ボートクルーからキッチンスタッフまで、初日に名前を覚えてくれプライベートなサービスをさりげなく提供してくれました。ダイブに特化した船とプライベートヨットのそれぞれの良い所を会わせたような船でヨーロッパリゾートの雰囲気を楽しみたい方にお勧めです。」 T.O 2013年1月
マスタースイートに劣らず、スーパーラックスキャビンとデラックスキャビンもラグジュアリー感たっぷりのお部屋に仕上がっていて、ベットとは別にソファーもあるので、快適に過ごすことができます。
写真提供:ワカトビゲスト Didi Lotze (デラックスキャビン)
15. 「ステイの前半5日間をクルーズ船のパラジアン号で、後半5日間をリゾートで過ごしました。両所共にとっても親切なスタッフとダイブガイドのおかげでステイとダイビング両方を充分に楽しむことができました。また是非機会を作り、訪れたいと思っています。」
Y.O 2012年12月
マスタースイートには、キングサイズのベットにフラットスクリーンのテレビとブルーレイDVDプレイヤーそして広々したバスルームにはレインフォレストシャワーとハンドシャワーも備えてあります。
写真提供:ワカトビゲスト Didi Lotze
16. ペラジアン号でクルーズするエリアには、何百キロにも及ぶ環礁や切り立った崖が見物のブトン島南東など、美しい景色が広がります。
ワンギワンギ島の南東にある‘メトロポリス’という美しいダイブサイトには、バラエティーに富んだサンゴやウミウチワ、巨大なカイメンがたくさんあります。流れが強いことも多いのでバラクーダの群れなどの大物も頻繁に見られます。
写真提供:ワカトビゲスト Richard Smith
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17. 「ゲスト数が10名までで、すぐにフレンドリーになれ、のんびりとしたタイムスケジュールで、ほとんど壊れていないソフト&ハードコーラルの中で、マクロ系が好みの方におすすめします!」 Toshitaka Tani 2012年9月
ペラジアン号のクルーズで訪れるのはマックダイビングのエリアばかりではありません。周辺にカムフラージュするのが上手なコブシメなど美しいサンゴ礁に生息する魅力的で面白い生物もたくさん見ることができます。
イカやタコの仲間たちはサンゴ礁に生息する生き物の中でもかなり活発で、とても知的で好奇心が旺盛な生物です。遭遇した時は、ゆっくり慎重に動くと彼らを怖がらせず好奇心をそそることができ、むこうから近づいてきてくれる場合もあります。そうすると、体の色や模様を変えるシーンを見ることもできますよ!
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
18. サンゴ礁の背景にとても映えるツバメウオの群れの写真は、自然と素敵な一枚になります。
ブダイやハギの仲間など他の草食性の魚が食べない海藻をツバメウオが食べていることにより、サンゴ礁における生態学では、この魚がより重要な役割を果たしている可能性があることが最近の研究で明らかになりました!
写真提供:ワカトビゲストRichard Smith
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19. サンゴ礁とマックダイビングのエリアの両方で見られる、この複雑な模様と色を持つ美しいオリビアシュリンプは、フォトグラファーに人気がありますが、とてもシャイなため撮影するのが意外と難しいエビの一種です。日中は礁壁の亀裂や岩穴に隠れていることが多く、夜になると補食するために外に出てきます。
写真提供:ワカトビゲストRob Darmanin
20. 色が鮮やかな種から地味な種そして形も様々なので‘ウミウシ’と一言で言っても識別するのにとても苦労することもありますが、ペラジアン号のダイブガイドは、ベールの縁をヒラヒラさせながら移動するウミウシを見逃しません!
写真提供:ワカトビゲストRichard Smith www.Facebook.com/OceanRealmImages
21. ウミウシは2本の触覚を使い、水の中の化学物質を検出し食料源を導きだします。マックダイビングをするエリアでは、これらの色鮮やかな生物を簡単に見つけることが出来ます。
写真提供:ワカトビゲストSaskia van Wijk
22. ワカトビダイブリゾートやペラジアン号について、ピグミーシーホースなしでは語れません。
ワカトビのエリアには、4種類のピグミーシーホースが生息しています。写真のピグミーシーホースは、おなじみのバーギバンティピグミーシーホース(Hippocampus bargibanti) ですが、この他にもオレンジ色のデニースピグミーシーホース(Hippocampus denise)、白のホワイトピグミーシーホース(Hippocampus pontohi)、そして茶色のHippocampus severnsi の生息が確認されています。
写真提供:ワカトビゲストMark Snyder
23. ハリメダという石灰藻を生息地に好む、小さなホワイトピグミーシーホースを探せるワカトビのガイドの目も然ることながら、ピグミーシーホースのリサーチをした海洋学者のリチャード・スミス氏も「こんな頻繁に、この種のピグミーシーホース(Hippocampus pontohi) を見られる所は他にはない!」と話していました。
写真提供:ワカトビゲストRichard Smith
www.Facebook.com/OceanRealmImages
24. 「楽しい一週間でした。機会があったらまた来て、できれば2週間くらい滞在したいです。食事が美味しくて、毎回食べ過ぎてしまいました。海が良くて、食事もおいしいデスティネーションはなかなか見つけられないので、本当にワカトビは素晴らしいです!」
K.N 2013年1月
「サンゴが元気で綺麗で素晴らしかったです。食事もとても美味しくて、南の島のリゾートとは思えないほどでした。ダイビング、リゾートともサービスが良く、スタッフの感じもとても良かったです。」
H.H 2013年1月
写真提供:Didi Lotze
25. ペラジアン号のクルーズでは、リゾートから離れたワカトビ列島の島々や環礁を訪れます。シーズンや天候によりルートが異なる場合もありますが、ひとつだけ確かなことは、それぞれのクルーズはユニークで特別な経験になるということです!
ワカトビのクルーズ船ペラジアン号については、こちらからご覧いただけます:http://pelagian.wakatobi.com/home_jp.php
26. 「旅行会社に奨められてやって来ましたが、いざ潜ってみると素晴らしい世界が広がり、とてもとても感激し、楽しいダイビングが出来ました。サンゴが美しく、透明度が非常に良く、魚影も多くなかなかの物です。リゾート内は閑静でのんびりと時の経つのも忘れ、ゆったりと過ごす事が出来ました。スタッフの方々のきめ細やかななる配慮にも感謝感謝です。これでは、リピーターにならざるを得ません。また休暇を取って来ます!」 M.M 2013年1月
バリ島からワカトビまでの特別チャーター機が頻繁に飛ぶようになったため、今までより旅程も選びやすくなり、ペラジアン号でダイビングをすることがかつてないほど容易になりました。ペラジアンのクルーズとワカトビのリゾート滞在を組み合わせるとさらに最高のホリデーになるはずです!
http://japan.wakatobi.com/home_jp.php
写真提供:ワカトビゲストSaskia van Wijk
水族館のような世界
2013年4月22日(月)
ワカトビではダイブボートで遠くまで行かなくても、目の前のビーチやジェティバーのある桟橋のまわりをシュノーケリングしてみるだけで、水族館の中にいるような、美しい水中世界を見ることができます。写真提供:ワカトビゲスト Marcus Lindenlaub
1. ワカトビに到着すると、太陽の日差しが海面に反射しターコイズブルーの鮮やかな色合いの美しい海が目の前に広がります。部屋に着いて荷物を整理し始める前に、まずはマスクとシュノーケルとフィンを持ってハウスリーフに泳ぎに行きたくなるはずです!
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
2. 青い空に可愛い白い雲が浮かび、とても穏やかな海、そしてサンゴ礁のまわりをたくさんの魚たちが泳いでいます・・・こんなにコンディションの良い日は、桟橋から写真を撮るとプロのカメラマンが撮ったような写真が撮れます! 着いた初日から驚きの連続で、これからの数日間が楽しみです!!
写真提供:ワカトビダイブリゾート Didi Lotze
3. 何が見られるのか、心をはずませハウスリーフの浅瀬を泳いでいきます。ドロップオフの手前まで辿り着いたら、深呼吸をして少し潜ってみると、あなたの冒険が始まります!
写真提供:ワカトビゲスト Rob Darmanin
4. 3mから5mほど潜行して耳を澄まし、辺りを見回してみると、あなただけの世界がそこにはあります。都会の喧騒から離れ、携帯電話やテレビ、車が行き来する音は聞かなくていいのです!
ドロップオフのエッジに沿って泳いでいくと、色鮮やかなサンゴ礁やさまざまな魚たちが目の前を通り過ぎていきます。このワカトビのエリアは“コーラルトライアングル”と言って、世界でもサンゴと生物が最も密集しているエリアとして知られています。ここには、450種以上のサンゴと1,000種類以上の魚、さらにたくさんの無脊椎動物が生息しているのが確認されています。
写真提供:ワカトビゲスト Rodger Klein
5. 浅瀬を泳いでいくと、モンダルマガレイが砂底でハンティングをしています。このモンダルマガレイは、砂底に合わせて皮膚の色や模様を変えられるという事はご存知でしたか?そして、それぞれの目を別々で動かす事ができ、前と後を同時に見ながら泳ぐことも出来るそうです!!
写真提供:ワカトビゲスト Alan Saben
6. 不思議な海の生物の一つでもあるハダカハオコゼを二匹見つけると、もう一度よく見るためにUターンして潜っていきます。木の葉のように水中で揺らめいているその姿は、まさに葉っぱのように見えます。
こんな時は、コンパクトカメラがあるとすごく便利ですよね。
写真提供:ワカトビダイブリゾート
7. 良い一日のスタートを切った後、ランチを食べてから少し休憩して、今度は何が見られるのかワクワクしながらまた泳ぎに出かけます。すると、私達と同じ様に外の世界が気になるのかタコが姿を現しているではありませんか!
無脊椎動物の中でも、タコはとてもチャーミングで頭のいい生物なので、警戒しながら私の黄色いフィンを目で追っているようでした。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
8. 泳いでいると、次々に明るい色が目に入ってきます。何かと思ったら、二匹の美しいシライトウミウシです!体の縁と触覚、鰓が明るいオレンジ色なのがとても特徴的です。こんなに色鮮やかなウミウシもわずか数メートルの所にいるので、息を止めてちょっと潜るだけで見ることができます!
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
9. 私達のように好奇心が旺盛なモンハナシャコが巣穴から顔を出し、別々に動かせる目をクルクルさせて周りをうかがっています。こんなカラフルな生物もハウスリーフにちょっと泳ぎに行くだけで、見られちゃんですよ!
写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens
10. ビーチ沿いにあるオーシャンバンガローから10mほど泳いだ所では、キレイな青色のスズメダイが枝サンゴの周りで群れをなしています。もっと近づいてみると群れの仲間に加わることができ、まるで水族館の中にいるような気持ちになってきます。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
11. このエリア(インド洋/太平洋)でのシュノーケリングについて、ニモの仲間なしでは語れません。桟橋付近を含むハウスリーフのエリアには、少なくとも8種のクマノミの仲間を見つけることが出来ます。
ダイバーの雑学として、どのクマノミが本当のニモなのかもちろんご存知ですよね?左上の緑色のイソギンチャクに住むカクレクマノミでしょうか?それとも、右上のイースタンクラウンアネモネフィッシュでしょうか?
少し離れた所には、似たようにも見えますが濃いオレンジ色と暗赤色をしたペアがいます。左下のこの二匹は、スパインチークアネモネフィッシュです。頬に小さな棘があるのが目印です。
そして、最も一般的なクマノミも忘れてはいけません。生息する地域によって多少色が異なりますが、太い二本のラインが入っているのは共通です。
12. 時には、カムフラージュしている生物を探すのも宝探しをしているようで面白いものです。
ハウスリーフの浅瀬には海草が広がるエリアがあり、このような場所を好む様々な生物を見つけることができます。例えば、このカミソリウオは姿だけではなく、海草の様にゆらゆらする感じの動きをするため簡単に見逃してしまいます。
わずか数メートルの浅場で、こういう珍しい生物に会える場所はなかなかないですよね?
写真提供:ワカトビゲスト Adam Middlemass
13. 日が暮れる頃になっても、シュノーケリング・アドベンチャーはまだまだ続きます。夕日に向かって泳いでいくと、桟橋の近くでヨウジウオのペアを発見!タツノオトシゴと同じヨウジウオ科に属する彼らは、細長い体と管状の口がとても特徴的です。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
14. 太陽が沈むと、昼間とは全く違う世界が広がります。水中ライトの光の先には、青の斑点が美しいリーフスティングレイが姿を現し、こちらを監視しているようです。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
15. 海草のエリアに戻ってみると、小さなタコがエサを探しているのか、周辺を探っています。気をつけながら水中ライトを当ててみると、瞬時に体の色を変えたかと思った瞬間、あっという間に泳ぎ去られてしまいました。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
16. 目の前のハウスリーフで、こんなに様々な生物に遭遇できるとは思ってもみなかったので興奮してしまいましたが、明日からはプライベートのシュノーケリングガイドと泳ぎにいけるので、楽しみです!
マリンライフについて詳しく教えてもらったり、スキルアップするにはどうしたらいいのか聞いてみるつもりです。
17. ワカトビのリゾート周辺には、40以上のダイブサイトがあり、その大半はシュノーケリングにも適しているため、どこに泳ぎに行っても浅瀬に素晴らしいサンゴ礁が広がっています。
今日は、‘the Zoo’というサイトにボートで出かけます。
写真提供:ワカトビダイブリゾートDidi Lotze
18. ダイブサイトに着くと、ダイバーはどんどん深い所まで潜行していきます。専属のシュノーケルガイドと一緒にジャンプすると、目の前には美しいサンゴ礁が広がるので、思わず“わぁ!”と叫んでしまいました。
写真提供:ワカトビゲスト Norbert Probst
19. 太陽の光がさす浅瀬には、様々な色や形のハードコーラルやソフトコーラルが広がり、その光景はまるで不思議の国のようです。
風に揺れる花のように、サンゴのポリプが水に揺られているのを見ていると、それらは植物ではなく、動物であることにふと気付くのです。お花のようなポリプが触手を使って、水中を漂う小さな生物を捕食しているのです!
ダイビングをする方は、水中の世界は“アバターみたい”と思ったことが、一度はあるはずです!
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
20. 背中に太陽の温かい光を浴びながら、シュノーケリングのガイドと一緒にプカプカ浮かんでいると、本当に心が安らぎます。
インテリアやリラクゼーションのために、色鮮やかな熱帯魚を自分の家で楽しむ人もいますが、私達ダイバーやシュノーケラーは、人の手で作った水族館ではなく、素晴らしい水中世界が広がる本当の海で自由に泳ぎ、気持ち良さそうに泳ぎ回る魚たちに会うことができることを幸せに思えるはずです
写真提供:ワカトビダイブリゾート
21. 水に入って数分後、カイメンを食べているタイマイを発見。ガイドの指示に従い、ウミガメを怖がらせないよう近づいていき、写真を撮ることができました。
写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens
22. さらに泳いでいくと、ガイドが「こっちに来て見てみて!」 と興奮しながら呼ぶので近づき、彼が指す方向を見ても何もいません。しかし、突然目の前で色を変えるコブシメが目に入り感動してしまいました。今思い返しても、何でこんな生物が海にはいるのだろうと不思議でなりません。
ボートに戻ると、コブシメはタコやイカと同じ仲間なのだと教えてくれました。身体の色や模様を瞬時に変えることのできる、驚くべき能力を持つコブシメは‘海のカメレオン’とも呼ばれたりもします。この能力は、自分自身をカムフラージュさせるためや捕食者を威嚇するためだけではなく、研究者達は明るい色と暗い色を瞬時に変えることでお互いのコミュニケーション方法としても使われていると考えているようです。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
23. シュノーケリングに出かけ、不思議な生物たちとの出会いを思い返しながら見る夕日は最高に美しかったです。
今回のホリデーは終わりに近づいていますが、この数日間のアドベンチャーを胸に、またワカトビに来られる日を楽しみにしています!
写真提供:ワカトビダイブリゾート
24. ワカトビのダイブボートからだけではなく、目の前のビーチやジェティバーのある桟橋のまわりをシュノーケリングしてみると、まるで水族館の中にいるような、美しい水中世界が広がります。
写真提供:ワカトビゲスト Marcus Lindenlaub
ナイトダイビングの世界
2013年3月18日(月)
ゴッホの有名な絵画の “Starry Night” のように、渦巻く雲と輝く星たちが、私達の心を掴みます。今回は、私達の心を惹き付けるワカトビでのナイトダイビングの世界をご案内していきましょう!
写真提供:ワカトビゲスト Rossie Zen
水平線に夕日が沈んでいくのを眺めながら、ナイトダイビングの準備をしていきます。その頃、リーフでは魅惑的な生物たちが寝所に帰って行ったり、夜を待っていた生物たちが行動を開始したりする、興味深い時間帯なのです。
写真提供:ワカトビダイブリゾート Valentin Maeder
暗くなる直前の時間帯は、サンゴ礁に住む捕食者が最も活発的に行動する時間でもあります。リゾートの桟橋の先にあるジェティバーの光をうまく利用して、リゾートの桟橋の周りや下には、ハナミノカサゴが小さなグループを作り、小さな魚を追いかけ回しています。
写真提供:ワカトビゲスト Jim Laurel
手で水中をかき回したり、フィンでキックしてみると夜光虫が青白い光を発するため、この星空の下で見る夜の世界は、昼間見る感じとかなり異なって見えたりもします。多くのマリンライフは夜行性のため、日中は姿を隠していたり、眠っていたりするため、このような小さくて鮮やかなイカの仲間もナイトダイビングに出かけないと見ることが出来ないのです!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
夜になると昼間とは全く異なったキャストを向かえ、サンゴ礁は一層輝きを増します。ナイトダイビングでは、カニやロブスター、エビなど様々な甲殻類を見られる絶好の機会です。タコやイカ、コブシメが、体の色を変化させ美しい姿を見せてくれるのも、この時間帯です!
写真提供:ワカトビゲスト Dennis Davenport
出発の時間です。もう一度器材の確認をし、水中ライトを持って夜の海の世界へ出発です!期待を胸にタンクを背負い潜行していくと、暗闇の先にサンゴ礁が見えてきます。さあ、素晴らしいショーの始まりです!
写真提供:ワカトビゲスト Erik Schlogl
日中は、隅に隠れているロブスターも、夜になるとハンティングをするために出てきます。そして、貝やウニ、カニや魚など様々な生物を探し始めます。身の危険を感じると、腹部を引き締めそして尾肢を上下し、後ろ向きで一目散に逃げだしてしまうので、ゆっくりアプローチするようにしましょう。
写真提供:ワカトビゲスト Ryan Kissick
主にウツボは イカやタコ、甲殻類、軟体動物そして小さな魚をエサとしていますが、甲殻類の他にウニや無脊椎動物を食べるウツボもいます。ウツボは呼吸を維持するために、口の中に継続的に水を流し込まなければいけないため、獲物を捕らえるとすぐに飲み込みます。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
眠っているカメに近づけるチャンスもありますが、睡眠の邪魔にならないよう気をつけなくてはなりません。また、ウミガメは暗闇に紛れて産卵をします。そして、孵化すると自分の巣から這い出し、月明かりに反射する海に向かっていくのです。
写真提供:ワカトビゲスト Luc Eeckhaut
水中ライトに照らされて、サンゴの合間からカサゴの目が光っています。カサゴの仲間は、夜行性でしかも単独で行動するのが好きな魚です。彼らは、サンゴや藻類、岩などに擬態して不動の一日を過ごします。夜になると、甲殻類や貝類そして魚を捕獲し食べます。カサゴの仲間は、驚いたり脅かされたりすると、背びれにある毒の棘を逆立てるのです。
写真提供:ワカトビゲスト Eric Cheng
振り返ると、イソギンチャクの周りを踊るニセアカホシカクレエビを発見! カニやロブスターが頑丈な脚を持っているのに対し、ホンカクレエビ属などのデリケートなエビは、ナガレハナサンゴやイソギンチャクに着底するための細くて壊れやすい脚を持っています。エビ類は単独でいることがほとんどですが、産卵シーズンになると大きな群れを作ります。
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
ナイトダイビングに出かけると、数種類のカニも見られます。実は、3.5メートルから2ミリの大きさの範囲のカニが約4,500種も存在するのです!そしてカニは食欲旺盛な、夜行性の捕食者でもあります。はさみを上手に使って、貝の殻を打ち砕き食べてしまうのです!
写真提供:ワカトビゲスト Ernst Koshier
ダイバーに人気のタコもまた、夜に見られる可能性が高い生き物です。タコは夜になると闇に紛れてハンティングするとてもシャイな生き物でもあります。骨格を持たない彼らは、様々な形に姿を変えられることができ、生息する周辺に色を似せたり、時には墨を吐きその隙に逃げたりと相手を混乱させる防御方法も身につけています。タコを見つけた時は数分間その場で観察してみると、砂地や岩場を体の色を変えながら移動する姿を見ることができますよ!
写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller
砂地を泳いでいると、ナマコを目にするはずです。ナマコには目がありませんが、光に非常に敏感です。そのため、浅瀬に住む多くのナマコは、日中は隠れていますが、夜になるとエサを探しに出てくる傾向にあります。ダイバーが近づくと、すぐに触手を引っ込めてしまいます。日中は、岩の上でじっとしているか、泥や砂地に身を埋めています。また、ナマコはとても浅い塩溜まりで見ることもあれば、1,000mを越える深海でも確認されています。実際には、科学者たちが850m以上の水深に、9〜10種のナマコも発見されています!
写真提供:ワカトビゲスト Larry Abbott
クロガシラウミへビはエラブウミエビと同様コブラ科の一種で、夜になると狩りをするとてもアクティブなウミヘビです。サンゴ礁の狭い割れ目を狙う時は、数種類のウツボがする様にヒメジやアジと協力して獲物を追い込みます。割とシャイなため、攻撃してくる事はありませんが、強い毒を持っているのでからかったりしないようにしましょう。極めて稀ですが、万が一噛まれてしまった場合はすぐに病院へ行く必要があります。ウミへビは、およそ3.6メートルまで成長することが出来ます。
写真提供:ワカトビゲスト Ken Knezick
サンゴとサンゴの間で眠るブダイの仲間もナイトダイビングに出かけると見られる可能性があります。日が暮れると、ブダイは粘膜繭で全身を覆っていきます。この粘膜は、外敵からブダイの匂いを隠し、また危険が迫った時に瞬時に逃亡できるよう、警戒システムとしての役割も持っています。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
ナイトダイビングと言えば、サンゴが捕食するシーンも見逃せません! イシサンゴやイソギンチャク、クモヒトデ、テヅルモヅルなどが海中を浮遊するプランクトンたちを捕らえ始めるため、夜になるとまるで花を咲かせたような景色が広がります。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
そうこうしているうちに、浮上する時間です。水中ライトを消して、フィンで水面を蹴ってみると夜光虫が青白い光を発しています。そして夜空を見上げると、満天の星空が広がっているのです。こんな美しい空を眺めていると、あらためて来て良かった!と思えるはずです。
写真提供:ワカトビゲスト Joe Platko
目には見えない大切なモノ
2013年1月28日(月)
私達を取り巻く環境には‘見えないけど、とても重要なモノ’があります。例えば、日光:これは存在を通して見ることができますが、構成されている‘エネルギー’は目にすることができません。ある存在に依存している有機体は、その存在無しでは滅びてしまいます。私達が呼吸している空気も、目には見えないので同じことが言えます。さあ、日光や温度にとても大きく左右されるサンゴ礁には、何が影響しているのか見ていきましょう!生きたサンゴのポリプはお花のようにも見えますが、それは植物ではなく、実は動物なのです。しかし、シンプルな生物に何がこのように美しい色を与えていると思いますか?
ほとんどの場合、サンゴの本当の色はポリプの色ではなく“褐虫藻”と呼ばれる藻類がサンゴの中に住んでいることで美しい色をしているのです。英語では、ゾーザンテラ “Zooxanthellae” と呼ばれ、”zoion”=動物、”xanthos”=黄色、”-ella”=小さなもの、というギリシャ語から来ていると考えられています。この“小さい・黄色・もの・生きている・動物”は、おそらくサンゴ礁のシステムの中で最も重要な役割を果たしていることでしょう!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
褐虫藻とは、海に住む無脊椎動物と共生する渦鞭毛藻類の単細胞藻類の総称です。ちょっと難しくなってしまいましたが大丈夫ですか?シンプルにまとめると、褐虫藻とは全ての造礁サンゴの組織に住んでいて、サンゴに栄養を与え、健康を保つためには必要不可欠な光合成藻類のことなのです!
写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens
新しい研究では、褐虫藻は数百を越える多様な生物のグループであることが明らかになっています。褐虫藻は、一種または2〜3種のサンゴに共生し、同じサンゴをシェアしていることもあります。
ここでは、マイクロスコープのテクニックを使って撮影したイソギンチャクの内側の細胞層で、褐虫藻(赤色の部分)の存在を示しています。
写真提供:ワカトビゲスト Ian Yarett
これらの単細胞藻類が共生する代表的なホストとしては、熱帯・亜熱帯に生息する造形サンゴの他にも、光合成を必要とし、移動しながら無機栄養素を受け取れるイソギンチャクやクラゲなどの組織にも住んでいます。
また、いくつかのカイメンやヒラムシなどの扁形動物、そしてシャコ貝などの軟体動物にも共生していて、別のエネルギーにプロセスできるホストの細胞内に侵入しているのです。よく分からないけど、すごい!と思う方のために、ウィキペディアをおすすめします!(実は、私も見みました!)http://ja.wikipedia.org/wiki/褐虫藻
写真提供:ワカトビゲスト Farah Hussein
すごい要因のひとつとして、たくさんの生命を司る海は太陽からエネルギーを受けています。この光エネルギーは、光合成のために使われ、水の濁り具合により異なりますが、およそ200メートルの深さまで浸透できる唯一のエネルギーだと考えられています。
その熱は、地球上に生息する全ての海洋生物に影響を及ぼします。海の産物の根本は植物にあり、プランクトン、海草や昆布などの海藻が全ての生態系をサポートしています。これらの生物も、褐虫藻のように成長していくためには光合成をする必要があるのです!
写真提供:ワカトビゲスト Mark Strickland
光合成とは、植物が太陽のエネルギーを受け、栄養素と水と二酸化炭素から炭水化物を合成し、酸素とエネルギーを作り出すプロセスのことです。海に生息する植物、特に植物プランクトンは大気中の酸素を調節するのに大変重要な役割を果たすと同時に、地球上に生息する海洋生物の大半をサポートしているのです!
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
サンゴは光を避けられ、補食されることのない安全な環境を褐虫藻に提供する代わりに、褐虫藻はサンゴが代謝する老廃物をエサとして処理するという、共生関係を維持しています。
ここで一番重要な事は、褐虫藻が光合成をする際に作り出されるグルコース、グリセロール、アミノ酸をサンゴに提供しているという事です。そしてサンゴはそれらの成分を使い、タンパク質や脂肪、炭水化物を作り出し、骨格を形成するのに必要不可欠な炭酸カルシウムを生成しているのです!栄養の少ない熱帯海域の栄養分をリサイクルするのに、藻類とサンゴのポリプの完璧な共生関係が役立っているのです。実際に、褐虫藻の光合成により作り出される有機物の90%以上が、ホストであるサンゴの組織に直接送られているのです!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
付け加えると、サンゴに充分な栄養素を提供し、サンゴが美しくそしてユニークな色でいられるには、褐虫藻の存在が必要不可欠ということです!
時には、海水温の上昇や汚染された水などの要因が加わりサンゴがストレスを感じると、サンゴのポリプは藻類細胞を追い出し、骨格が真っ白になってしまいます。この状態を一般的に‘サンゴの白化現象’と言われています。サンゴは褐虫藻なしでも触手を使いプランクトンを食べていくことができますが、成長していくことはできず、このような状態が長く続くとサンゴは死んでしまうのです。
写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller
造礁サンゴは、褐虫藻との親密な関係があるため 植物のように成長していく事ができるのです。
藻類の細胞は光合成のために光が必要で、サンゴ礁のサンゴはきれいな水を必要とします。このような理由から、浮遊物質が少なく、あまり濁っていない海域でサンゴが多く見られるのが頷けるはずです。
写真提供:ワカトビゲスト Norbert Probst
軟質サンゴの一部は八放サンゴ亜綱に属し、ポリプの周りに8つの触手があることで識別されます。この種の半分以上が、造礁サンゴのように褐虫藻と共生する関係にあるにもかかわらず、大部分は成長が遅く、寿命が長いことも特徴のひとつです。軟質サンゴは、水の流れだけが頼りで、プランクトンなどの浮遊物がポリプの近くに来ると、刺胞を使ってフィーディングするため、造礁サンゴよりも発達が遅れています。この種のサンゴは、捕食者や有毒物質の少ない深海でも発見されています。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
サンゴや褐虫藻の他にも、海にはたくさんの生物が生息しています。インド/太平洋は、さまざまな種類のウミウシを見ることができる海域でもあります。色や形も様々なこれらの生物は、芸術家が作ったモノのようにも見えます。
お花のようと言うか何と言うか・・・このオオコノハミノウミウシPhyllodesmium longicirrumは、体内に褐虫藻を取り入れ光合成をするウミウシです!英語では、“ソーラーパワー”ウミウシと呼ばれているのも、頷けますよね!?
写真提供:ワカトビゲスト Greg Sorger
この巨大なオオコノハミノウミウシは、リゾートの割と近くにある‘コンチータ’というサイトでよく見られています。
この驚くべきウミウシの体には、黄金色の褐虫藻のスポットが確認できます。このウミウシは、ソフトコーラルから褐虫藻を摂取し、消化器系を通して体内に取り込み、皮膚の下に納めます。そして、褐虫藻が光エネルギーを受けると、光合成し栄養素を作り出すため、何ヶ月も長くウミウシを生かす事ができるのです!
写真提供:ワカトビダイブリゾート
植物ではないため自身で光合成ができない多くのイソギンチャクもまた、褐虫藻などの藻類と共生する関係にあります。これらの藻類は、動物の胃の真皮の細胞に住んでいます。イソギンチャクは、藻類が光合成して作られる酸素と栄養素を得る事ができ、その代わりに藻類は、日光と微小な捕食者から隠れられる場所を提供しているのです!また、イソギンチャクの触手には刺胞があり、触手に触れる小動物を麻痺させる事が出来るため、草食動物に食べられる可能性が一層低くなるメリットもあるのです!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
シャコ貝は、ザルガイ科シャコガイ亜科に属する一番大きな二枚貝です。最も大きいオオシャコガイは殻長1メートル以上、重量200キロを越えることがあり、100年以上生きていると考えられています。
インド・太平洋に主に生息し、ワカトビのエリアではたくさん見ることができますが、残念なことに、 日本を初め、フランスや東南アジアの国々では珍味とされ、中国では媚薬の効果があると信じられているため、世界的に急激に減少しているのが現状です。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
シャコ貝は、外套膜という器官(背側で内臓を覆う体壁で、この器官の表皮から炭酸カルシウムを分泌して貝殻を作りだしています)の組織内に褐虫藻を共生させ、生きてくのに必要な栄養素のほとんどを褐虫藻の光合成に頼っています。
貝類は水中に卵と精子を放出し、水中で受精卵となった後、12時間程水中を漂った後に孵化します。約一週間すると、若い貝は海底に落ち着きます。(最初の数週間で頻繁に場所を変えます。)この頃は、まだ共生藻を持っていないので、プランクトンなどの浮遊物を捕らえては、フィルターに通し栄養をとるというサイクルです。
写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens
サンゴ礁に住む魚たちは、とてもカラフルで生き生きとしています。ここには、ハゼのような小さな魚から、巨大なジンベイザメなど本当に多種多様な生物が生息しています!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
草食系のブダイやスズメダイ、ギンポの仲間がサンゴに生える藻類を常に食べてくれるため、藻類が大量発生するのを防いでくれています。これらの魚は、サンゴ礁の生存には不可欠な存在と考えられています。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
栄養の少ない海にもサンゴは生息していますが、この場合はプランクトンを食べる魚がサンゴに栄養素を補給していると考えられています。動物プランクトンをエサとする魚の糞には、豊富な栄養素が含まれているため、サンゴの供給源となっているのです。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
サンゴ礁の存続の重要性は言うまでもありませんが、海には4000種以上の魚と800種のハードコーラルが生息しています。そんなサンゴ礁は、自然遺産であり、地球上で最も多様で貴重な生態系なのです!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
この多様性は、これからの未来のために新しい薬を見つける鍵となると考えられています。癌や関節炎、細菌感染症、ウイルス、その他疾患に効果があるとされ、サンゴ礁に住む動植物を使った薬がたくさん開発されています。
健康で美しいサンゴ礁が広がることで、観光地として注目され何百人もの人が職を得られるようにもなります。それでも、数千人の人々は、漁業をして生活を営んでいるかもしれませんが、サンゴ礁は経済的、環境的に人々にチャンスを与えてくれるのです!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
またサンゴ礁は、波をせきとめ浸食や家屋の損害、人名の損失を防ぐことにもつながり、たくさんの人々の生活がサンゴ礁の存在に直接関係していることになります。このデリケートな生態系を保護していくためには、更なる努力が必要とされます。
写真提供:ワカトビゲスト Didi Lotze www.roundshot360.de
幸いなことに、地球上のいくつかの場所では、まだ綺麗なサンゴ礁が広がっているエリアがあります。年間の水温が26度から30度以内に留まり、私達人間が及ぼす影響を最小限に抑えたワカトビもその中のひとつです。
ワカトビダイブリゾートは海洋保護区内に位置しており、豊かな海洋生物と多様性は訪れるダイバーを魅了し、未来の世代にもこの美しい海を残せるよう努めています。
写真提供:ワカトビゲスト Warren Baverstock http://warrenbaverstock.smugmug.com/
ワカトビダイブリゾートは間違いなく、世界でも有数の多様で魅力的な海のひとつだと思います。ここを訪れる洗練されたダイバーは、自然環境について理解のある方が多く、一緒にこの海でダイビングを楽しめることをスタッフ一同嬉しく思っております。
写真を提供してくれたゲストの皆様、ご協力いただきありがとうございます。
写真提供:ワカトビゲスト Didi Lotze www.roundshot360.de
サークル オブ ライフ
2013年1月16日(水)
活気に満ちたサンゴ礁の広がる所でダイビングをしていると、‘なんて素晴らしい世界なのだろう’と安易に考えがちですが、それは表面上にしか過ぎません。サンゴ礁での生活はそんなに簡単なものではなく、様々なルールが存在する厳しい世界なのです。写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller
“食うか、食われるか”が一番重要なルールなので、種のために繁栄し、次世代のために正常な遺伝子を残すには充分長生きする必要があるのです。
写真提供:ワカトビゲスト Larry Abbott
そうはいっても、長生きするのはそう簡単なことではありません。
写真提供:ワカトビゲスト Rob Darmanin
枝サンゴの間を泳いでいるハナグロチョウチョウウオのペアのように、なんで水中に住む生物たちはこんなに綺麗なんだろうと不思議に思ったことはありませんか? しかし、水中の世界では幼魚から成魚になるまでに、たくさんの危険な道を通らなくてはなりません。
写真提供:ワカトビゲスト Walt Stearns
ワカトビのように多種多様で健康なサンゴ礁が広がるリーフでは、多くの種が複数の適した場所を持っているため、繁殖するための相手も見つけやすいのです。
水中の世界では、ユニークな模様や色は種を区別するのにとても重要です。特に異性にアプローチする時は、見せ方が全てです。色や模様だけではなく、時には異性の注意を引くために変わった姿勢や動きをしなければいけない時もあるようです。
写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens
この写真のカエルアンコウのように、いくつかの種のカエルアンコウは目を惹くような色をしています。色は仲間を見つけるための重要な要素になるとも考えられています。
ほとんどのカエルアンコウは、生き残るために周囲に擬態したりしてできるだけ目立たないようにしています。そして異性にアプローチする時が来ると、独特な香りや‘フェロモン’を水の中に放出するのです。
写真提供:ワカトビゲスト Erik Schlogl
ほとんどの魚にとって、子孫を残すことが優先順位の一番上にきます。そんな魚たちにとっては、繁殖していくことが最も重要なため、異性の気を引く時は真剣な勝負となります。その競争に対抗するために、いくつかの種は、機能的なメスまたはオスとして生活を開始し、後で他の性に変えたり、性的に成熟するのを遅らせたりする種もあるのです!
例えば、一匹の支配的なオスと複数のメスで構成されるスミレナガハナダイのオスはハーレム状態です。メスは、明るいオレンジ色をしているのに対し、オスには体に紫色で正方形の斑点があります。メインの支配的なオスが死んでしまうか、仲間から外された場合は、グループの指揮を引き継ぐために最高ランクのメスがすぐに性別、色、サイズを変えます!この支配的なオスは、自分のグループに属する幼魚も保護するので、ボスを持つことは幼魚たちにとってもメリットがあります。
写真提供:ワカトビゲスト Mark Vanderlinden
海洋生物のメスの産卵生産能力は、そのメスのサイズと年齢に関連していると言います。大きくて年をとったメスは、大きくて質の良い卵を生む能力があります。大きくて良い卵は、大きくて強い幼魚となるため生存率も高くなります。
そのためオスたちは本能的に、より大きく成熟したメスに惹かれるのでしょう。そう、強い者が生き残る厳しい世界なのです!
写真提供:ワカトビゲスト Carlos Villoch
ほとんどの魚たちは様々な方法で産卵し、育児の方法も様々です。
遠洋で産卵する魚の大半は(アジ、チョウチョウウオ、ベラ、ゴンベ、キンチャクダイなどの仲間)オスとメスが一緒に上昇していき、水中で卵と精子を放出します。ハタやタイのような種は、月が正確な位相にきた時に、産卵のために特定の場所に大きな群れをなします。ブダイの仲間は、夕暮れ近くになると産卵のために集まり捕食を避けるために、同じ種の他の魚たちと同時に大量の卵と精子を放出します。
大きな群れを作って何万もの卵を放出することは、卵から孵化する幼魚の生存率を上げることにもつながります。何匹かのラッキーなこのギンガメアジもまた成長し、同じサイクルを繰り返していくのです
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
いつ、どこで産卵を好むかは生息する環境の状態により異なります。
例えばハナミノカサゴは、卵をより分散するために流れが強い時を狙います。そうすることにより、卵の分布範囲が広がり子孫の繁栄につながると考えられているようです。
写真提供:ワカトビゲスト Steve Rosenberg
ハナミノカサゴとは対照的で、スズメダイやモンガラカワハギ、クマノミ、ハゼ、ギンポのように小さな種は海底に卵を産みつけます。(一部は事前に巣を作る種もいます)そして、卵が孵化するまでの数日間は熱心に面倒をみながら卵を保護します。卵が孵化すると稚魚たちは潮の流れにのり、自らの人生を歩んでいくのです。
サンゴ礁に住む魚たちで巣を作る種は稀ですが、そんな魚たちを観察してみると藻類や小石の破片などをどかしてキレイにしたり、一生懸命に巣を守ったりととても興味深い行動を見ることができます。そして彼らもまた卵が孵化するまで、巣穴を守り卵の面倒をちゃんと見るのです!
写真提供:ワカトビスタッフ Guy Chaumette, Liquid Motion Film, www.liquidmotionfilm.com
オスのクマノミや数種類のスズメダイは、ホストであるイソギンチャクの近くに巣を作ります。メスは卵を産むとすぐその場から去り、オスが卵を受精させるためにやって来ます。そして、オスがその卵の面倒を見るので“ミスター・ママ”となり、自分のヒレをなびかせ新しい水と酸素を送り込んだりして、一日中一生懸命面倒をみます。また、巣の汚染を避けるために死んでしまった卵の除去をして、卵があるエリアをキレイに保つのもオスの仕事です。
写真提供:ワカトビゲスト Rob Darmanin
ピグミーシーホースを含むタツノオトシゴの仲間は、ペアになるとオスが主導権を握るようです。というのも、オスのピグミーシーホースが妊娠し出産するからです!
オスが妊娠することにより、交尾の行動も逆転することになります→メスが未受精卵をオスのお腹の育児嚢に移すと卵の外殻が壊れ、卵の周りに細胞が集まってきます。受精後、ピグミーシーホースの赤ちゃんの準備が整うまで、オスは環境を整えます。受精してから約11日後、一度の出産でおよそ6匹から15匹の赤ちゃんを産みます!
写真提供:ワカトビゲスト Richard Smith, www.oceanrealmimages.com
卵を守りやっと孵化したとしても、稚魚たちが立派な成魚になるまでには相当な時間を要します。
小さな稚魚たちが海流に流されながら成長していく課程では、他の海洋動物のいいカモになってしまう確率が非常に高く、稚魚の死亡率の一番の原因とされています。そのため、補食されるのを避けながら成長していける場所を見つけることがとても重要となります。
写真提供:ワカトビゲスト Steven Reinemund & Cristina Mendoza
生息地の他に、浅瀬にあるラグーン内は栄養素が豊富なため幼魚が成長していくのにとても適した場所でもあります。十分な栄養を取ることは彼らの成長に直接影響を与えるため、生存していくためには必要不可欠です。また、小さな魚が早く大きくなることにより、捕食者から逃れられるチャンスも高くなるのです!
そのため私たち人間は、幼魚たちが捕食者から隠れられ栄養素が豊富なマングローフや海草・海藻が密集するエリア、浅瀬にあるラグーンなどの環境を保護していくことがとても重要視しされており、絶滅危惧種に指定されている生物の保護にもつながると考えられています。
写真提供:ワカトビゲスト Adam Middlemass
幼魚たちがサンゴ礁に落ち着くと、一部の幼魚は嗅覚と聴覚を使い、同じ種の個体が住んでいる場所を見つけ出します。仲間を見つけることにより、その場所は環境がよく、その種に合った食物が得られることを証明していることにもなります。それと同時に、同じ場所で生活していくにあたり競争関係になることも意味しています。
写真提供:ワカトビゲスト Richard Smith, www.oceanrealmimages.com
同じ種なのにも関わらず幼魚と成魚の色や模様の違いには、いつも驚かされます!
ほとんどの魚が最終的な姿になるまで、成長していく過程で色や模様を変えていきます。ダイバーに大人気のこの可愛いミナミハコフグの幼魚が、成魚になるとどんな感じになるのかご存知ですか?
写真提供:ワカトビゲスト Rob Darmanin
いくつかの種の幼魚は外敵から身を隠すよりも、味方の振りをした方が良いことを知っています!
実際に彼らは明るい青色をまとい、捕食者に提供できるサービスがあることをアピールしています。一般的に“クリーナーブルー”と呼ばれている青い波模様は、クリーニングフィッシュであることを示していて、魚たちはこの色をきちんと識別することができるそうです。クリーニングサービスを提供することで、食べる方と食べられる方の関係をなくすこともできるのです。ホンソメワケベラが完全に成長し、被害を受けにくくなる頃には、幼魚の時にあったクリーナーブルーの青色は消えてしまうのです。
もちろんどんなルールにも例外があるのです!
写真提供:ワカトビゲスト Dieter Freundlieb